『羽村動物園(正式には羽村市動物公園)』は1978年当時、羽村町だった現羽村市に日本で初めて誕生した町営動物園です。
なんて、そんな情報は長い間知らずに過ごしていました(汗)
意外とスゴイ動物園だったんだねぇ・・・と思いつつ、我が家の2歳児を連れて行く機会がありませんでした。いや機会が無いというよりも、むしろ近すぎて行かなかった、と言うほうが正解。
実際、私は動物園が大好きですし、メジャーな上野動物園や多摩動物園には子供を連れて遊びに行っています。
今回は、近所の『羽村動物園』が実はやっぱりスゴイ動物園だったという話です。
目次
小規模動物園なのに来園者が多い、その理由
今回訪れたのは日曜日の昼前頃。
我が家の2歳児以外は私もパパも過去に何度か来たことがある動物園、駐車場の場所もバッチリ把握しています。
ええ、場所は確かに把握していました。
「あれ?結構混んでるね・・・」
過去のイメージとは違う混みっぷりに微妙にうろたえる夫婦、かつては駐車場に誘導員さんが立っている事などありませんでした。
かつてとは言うのは、もう10年以上前の話かもしれません。
確かに最近羽村動物園は人気があって来園者も増えている、という話は知っていました。
ただ、過去の羽村動物園のイメージを持っている私たちは、今これほど混んでいる理由がわかりません。
とりあえず、臨時駐車場まで解放してあった『キリンさん駐車場』という名前の駐車場に車を停め、駐車場からエントランスまでの間に隙間から見えてしまうキリンなどの動物にワクワクが止まらない2歳児を引き連れて入園してみます。
券売機でチケットを購入、昔と金額は変わらないように思いますが、お札が千円札と二千円札って・・・
すっかり見かけない二千円札を手に入れる機会があれば、この券売機にチャレンジしてみたいものです(笑)
エントランスを入ってすぐに目につくのがえさやり体験やふれあいコーナーの時間が記載されたイベントスケジュールの看板。
せっかくなので我が家の2歳児にも体験させてみたいと思い、面白そうだと感じた『えさやりツアー・ミニ』に参加してみることにしました。
どうやら、12時からサービスセンターでツアーの参加の申し込みができるようです。
「サービスセンターで申し込みするんだって」
と、後ろにいるパパに話しかけた瞬間目に入ったのが何かの行列・・・
まさか・・・
まさかのエサやりツアー申し込みの列!
限定20カゴ(1カゴ300円)のエサを求めて既に行列が出来ていました。
と同時に、参加するかしないかの返事も聞かずとりあえず並ぶ事を優先。
なんとか16カゴ目をゲットできました!
13:30開始の『えさやりツアー・ミニ』、それまでの時間は普通の動物園らしく園内の動物たちを見て過ごそうという事になりました。
園内の動物たちを順に見ていくと、便利な場所にあるとは言えない小規模動物園なのに来園者が多い、その理由がすぐに見えてきます。
- 動物たちへのエサやり体験が豊富
- 『童話ランド』や『クイズ』などのユニークな展示
来園者が多い主な理由であろうこの2点は、子供の心を刺激するだけでなく、親子で楽しめるものになっていました。
大人気イベント、エサやり体験の注意点
今回体験する『えさやりツアー・ミニ』の他にも、時間によって様々な動物たちに個別にエサをあげることができます。
多くの動物園ではえさやりは『見る』イベントになっていますが、ここでは実際に食べさせることができるようになってるのが人気の理由です。
ヤギやブタ、コンドルなどエサやりの時間と数量が決まっている動物たちの場合、イベントスケジュールを見て計画的に園内を回ったほうがいいでしょう。
数量限定のエサは、あっという間に無くなってしまう可能性があります。
ヤギのエサが欲しかったのですが、午前中の分は既に売り切れてしまっていました。そして案の定「やりたかった!」とごねる2歳児(汗)
なんとかなだめて他の場所へ移動です。
サルやコイなど100円玉を入れて勝手に取るタイプのエサもありますので、このタイプは時間に関係なく売り切れでない限りはいつでも楽しめます。
我が家の2歳児、コイのエサが気に入ってしまい2袋購入しました。
3袋目は・・・子供に甘いパパもさすがにNGを出し、結局その場で大泣きしました(汗)
『童話ランド』や『クイズ』は子供の成長に合わせて楽しめる
羽村動物園は『童話ランド』と呼ばれている、童話の一場面に見立てた動物の展示方法がとてもユニークです。
園内をぐるっと一周してみると、
- おむすびころりん
- 3匹の子豚
- オオカミと7匹の子ヤギ
- 浦島太郎
- さるかに合戦
- ヘンゼルとグレーテル
- ウサギとカメ
- 鶴の恩返し
の展示を見つける事ができました。
これらはすべて手作りなんだとか!
そもそも、童話をほぼ知らない我が家の2歳児、当然サル山に置かれたカニを見ても「カニさんがいる」としか感じていないようです。
もう少し大きくなったらサル山のカニが何なのか、わかってくれるかもしれませんね。
童話ランドの展示とは別に、動物の檻の前にある『クイズ』。2歳児にはまだまだ難しい問題なのですが、小学生くらいになれば楽しむことができそうです。
『童話ランド』も『クイズ』も、2歳児には本来の内容が伝わらないかもしれません。
でも・・・
「もう少し大きくなったら」とか「次に来るときは」とか、今後何度も楽しめるであろう要素がタップリ詰まっています。
「羽村動物園、意外とおもしろいね」と言うパパ。
実は私も同じことを思っていました(笑)
記憶の中の羽村動物園と、生まれ変わった羽村動物園
今回は人がたくさんいてびっくりした羽村動物園ですが、10年くらい前は人も少なくちょっと寂しい感じがあったように記憶しています。
かつては、入り口から入ってすぐに地震を感知する実験をしている?ナマズの展示があったり、ある時突然個人宅のガーデニングでよく見かけるような7人の小人のオブジェが飾られていたりで「不思議な動物園だなあ・・・」という印象でした。
今では柵に囲まれてしまっている大きな恐竜のオブジェに乗って遊ぶ事ができたはずですし、園内を走り回っている謎の鳥がいた事もあったと思います。
しかし、これらは私の過去の曖昧な記憶であり、残念ながら今では写真もありません。
今でも最も不思議に思っているのは、ペンギン舎と今のサバンナ園の間あたりに『イヌ』の展示があったような気がしているのです。
展示動物に困ってイヌを置いているのかな?と感じたのですが・・・
ただ、これについては周りの人に聞いても「はあ?」とか「え?そうだっけ?」という返事ばかりなので本当に記憶違いか夢でも見ていたのかもしれませんね。
つまり、今回羽村動物園に来る事がなければ私の中の羽村動物園は「微妙」という位置づけのまま変わる事が無かったと思います。
すっかり私の思う『微妙な羽村動物園』は更新され、『楽しい羽村動物園』に書き換わってしまいました。
今回ようやく「羽村動物園おもしろいよ、人気あるんだよ」と言えるようになったわけなのです。
親子で参加のエサやりツアー体験談
いよいよ13:30、『エサやりツアー・ミニ』の開始時間です。
ツアー参加者はスタディホールへ集合し、一通りの説明を聞いたらエサの入ったカゴを持ち、スタッフさんに続いて出発!
今回は、モルモット、キリン、ペンギンの3種の動物のエサやりを体験できるツアーになっていました。
エサをあげられる動物は変更になる事もあるようです。
モルモットのエサやり体験
集合したスタディーホールの目の前がモルモット舎になっているので、そこからスタートです。
エサは細く切ったリンゴ、もう食べている姿を想像しただけでカワイイ!なんて微笑ましく見ていると、我が家の2歳児はさっそくやらかします。
なんと突然モルモットのケースにリンゴを投げ入れた!!
ちがーう!!
先ほどのコイのえさやりの勢いだったのか、パパも私もまさかの行動に慌てましたがもう手遅れ、モルモットは敷き詰められたおがくずに紛れ込んでしまったリンゴを見つける事ができません。
我が家の2歳児は不思議そうな顔をしながら、他の子がリンゴをモルモットの口元に持っていって食べさせている姿を眺めていました・・・
モルモットのエサは投げ入れちゃダメ。ひとつ、経験を積んだようです。
キリンのえさやり体験
羽村動物園のシンボル的存在のキリン、そのキリンのエサやり体験ができるなんて驚きです。我が家の2歳児もワクワクしながらキリン舎へ。
キリンのエサはキリン舎の前で受け取ります。
長い棒の先にエサの葉っぱが付いたものを手渡されますが、これは2歳児ひとりでは難しいので、パパと一緒に棒を持って体験です。
キリンに近づき、棒をそーっと口元へ持っていくと・・・
「そーっと」が待ちきれなかったキリンが先に長い舌でエサを取ってしまいました!
これが2歳児には怖かったのか、しばらくパパにギュッとつかまったまま離れませんでした(笑)
ペンギンのえさやり体験
我が家の2歳児、ペンギンが大好きです。
エサをあげられるなんて嬉しいだろうと思っていたのですが、ペンギンのエサは小さな魚、どうやら魚をさわる事にちょっとだけ躊躇しています。
「お魚こわいの?」と聞いてみると
「目がある」との返事。
目がある??
まあ確かに。
この場で魚の目をどうにかする事もできないので、他の子たちがエサやりをしている姿でなんとか誘導、ペンギンたちが元気に魚を食べているのを見て安心したのか無事にエサやり体験ができました。
「もっと!」
ペンギンたちが我先にと魚を食べにくる姿が楽しかったようで、あっという間にエサが無くなりごねています。
・・・目は?
エサやりツアーおまけ情報
このえさやりツアーは雨の日は中止になってしまうようです。
しかし、雨の日限定で特別にヒヨコにえさをあげる事ができると書いてあるポスターをサービスセンター内で発見!
「どの程度の雨だったらヒヨコのえさやりが開催されますか?」と聞いてみたのですが・・・
「そうですねえ・・・」と悩んでいらっしゃいました(汗)
その時の状況次第なのでしょうかね?
今回は雨が降りそうな天気ではありましたが、残念ながら降りませんでした。
また、エサやりツアーに参加するとスタンプカードがもらえます。
1回参加につきスタンプが1個押され、10個スタンプがたまると1回無料でツアーに参加できるようになっています。
「また次も参加してみよう」と、楽しみが増えました。
羽村動物園の感想、2歳の反応と様子
今回羽村動物園に来てみて強く感じた事、それは、小さな動物園らしく手づくり感にあふれ、お客さんを楽しませようという気持ちが伝わってきたという事。
もちろん2歳児は十分に楽しめましたし、もっと小さい子やもう少し大きい子でも楽しく過ごせます。
正直過去の人気の少ない羽村動物園を知っているので、はじめは「いくら最近人気があるからと言ってもね」と、やや期待も薄く来園しました。
ところがエントランスから入ってすぐに『エサやりツアー・ミニ』に目を奪われ、その他のイベントもチェックし、ユニークな展示と子供の成長を重ね合わせて想像するなど、その魅力にすっかり引き込まれてしまっていました。
特に感動したのは我が家の2歳児のキリンへの反応です。
2歳児にとって、エサをあげるために近づいたキリンを下から見上げた時、とてつもなく巨大なものとして目に映った事でしょう。
そして棒の先に付いた葉っぱを長い舌で巻き取るように奪っていく。
大きい!こわい!ペロって葉っぱ食べた!
「キリンは大きい」
それを2歳児が恐らくダイレクトに肌で感じ取った瞬間だったのだと思います。
「かわいい」ではない生きた感想が、まだまだ自由に言葉を操れない2歳の子の口から溢れてきていました。
モルモットを見た時も、ペンギンの時も「かわいい」、多摩動物園で遠目にキリンを見た時の感想も「かわいい」でした。
そもそも動物園という場所に於いて言えば、キリンは特別に珍しい動物ではありません。東京都内で言えば、上野動物園や多摩動物園ではたくさんのキリンを見ることができます。
それなのに羽村動物園で見たキリンが我が家の2歳児にとって特別な存在となり、使える限りの語彙力で、全力で自分の気持ちを表現するに至ったのです。
キリンを怖がっている様子はかわいそうでもあり、可愛くもありました。
しかし親としては、子供のキリンに対する全力の反応に非常に感動したのです。
大規模動物園のキリン舎と違いスペースに限りがある羽村動物園では、キリンにエサをあげようと近づくと大人であっても見上げるような状態になります。
そう、まるで「見上げキリン」
キリンを真下から見上げるなんてなかなか出来ない経験です(笑)
この小さな動物園の大きなキリン
迫力の見上げキリンを羽村動物園で体験してみてはいかがですか?
そしてたくさん遊んだ帰り道、満足してグッスリ眠ってしまっている2歳児を眺めながら「もっと早く羽村動物園に来てみれば良かったね」と、私もパパも来園前に抱いていた『先入観』というものに少しだけ反省したのでした。
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