『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』では、テレビアニメ版の『新世紀エヴァンゲリオン』を知っていた方にとっては『え?』と思ってしまうような人物の入れ替わりがありましたよね。
それは、テレビ版ではフォースチルドレンだったトウジと、弐号機パイロットのアスカ。
彼らは3号機搭乗を巡ってテレビ版と新劇場版とで設定が入れ替わってしまっています。
これは、トウジの食べていたアイスの『ハズレ』に暗示されていたと考えていいのでしょうか?
また、ハズレに他の意味はあるのか、そしてなぜ3号機にはアスカが搭乗する事になってしまったのか、考察を含めて解説していきます。
目次
【エヴァ破】トウジのハズレの意味は?
【鈴原トウジ】シンジのクラスメイト。大阪弁で話す熱血少年でシンジの親友になっていく(CV:関智一)#kinro #エヴァ #エヴァまつり pic.twitter.com/6wGmyJXsjp
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『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』では、学校帰りのシンジ、ケンスケ、トウジの3人で仲良くアイスを食べる様子が描かれていました。
アイスはトウジの奢り、ちなみに彼らが食べていたのは、ガリガリ君のようなあたりくじ付きのアイスだったようです。
トウジがアイスを食べ終わると、『ち、ハズレかいな』の言葉。
このハズレには、今後の彼の運命が暗示されていたと考えられます。
トウジはフォースにならず三号機に乗らない
鈴原トウジはテレビアニメ版ではフォースチルドレンとして描かれています。
レイ、アスカ、シンジに続くエヴァのパイロットでしたよね。
しかし『:破』ではこのアイスシーンの後、トウジは3号機のパイロットではない事が判明します。
そもそもミサトもトウジを頭数には入れていません。
なぜなら、3号機の試験パイロットはレイ、アスカ、シンジの中から選ばなくてはならない事に悩んでいるから。
奇しくも3号機の起動実験日は、レイが手作り料理を振舞ってシンジとゲンドウを仲良くさせたいと考えている日のため、テストパイロットの選出に悩んでいたのでしたよね。
ケンスケが3号機が日本にやってくる事を話すシーンからの、トウジの『ち、ハズレかいな』は、トウジが3号機のパイロット、つまりフォースチルドレンではない事を暗示していたと思われます。
ただ、トウジは望んで3号機に乗ったわけではなかったので、舌打ちには違和感がありますよね。
だいたい、あたりが出たらもう1本であろうアイスがハズレだったとしても、そうそう舌打ちはしません。
・・・転売目的なら話は別ですが(笑)
トウジがハズレ棒に舌打ちをするからには、フォースではない、3号機に乗らない以外の意味も含まれるように感じてしまうのです。
トウジが死亡した可能性
漫画版では死亡、テレビアニメ版ではかろうじて生きていたものの、左足を失ってしまっていると思われるトウジ。
新劇場版では3号機に登場していないため、トウジは生きていると考えてもいいのでしょうか?
ちなみに、『:破』の14年後の世界、『:Q』にも鈴原トウジは登場していません。
そして意味ありげな『鈴原トウジ』の名前が書かれているシャツ・・・
トウジが通学の際に着用していたシャツだと思われますが、それを見たシンジは動揺を隠しきれず、友達がどうなったのかを気にしていましたね。
『:Q』に登場したトウジの妹、鈴原サクラも兄の生死については触れていないのも気になるところ。
つまり、新劇場版では『:破』のゼルエル風の第10の使徒来襲時までは生存しているもののそれ以降のトウジの生死は不明です。
第10の使徒来襲時にはクラスメイトのケンスケやヒカリとともにいましたが、彼らもまた『:Q』に登場していません。
トウジの生死に関しては、
- サクラのシンジへの接し方から、『生きている』
- シンジに与えられたシャツがトウジのものだった事から、『死亡している』
どちらの見方もあるようです。
ただ、もしアイスのハズレが『フォースにならない』、『3号機に搭乗しない』と同様に『生き延びられない』を意味するものだとしたら・・・
明らかにハズレだったトウジはサードインパクトの際に生き残れず、ハズレかどうかわからないシンジやケンスケは生き残っている、とも考えられます。
漫画版のラストでも、なぜトウジとケンスケではなくケンスケのみが登場したのか、今さらながら気になってきますよね。
サクラがシンジに優しく接してくれているのも、実はトウジが生きているからではなく、トウジから『何があってもシンジは友達』だと聞かされていたからなのかもしれません。
【エヴァ破】三号機にトウジではなくアスカが搭乗したのはなぜ?
そもそもなぜ『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』で三号機にはトウジではなく、アスカが搭乗する事になったのでしょうか。
アイスのハズレも含めて脚本上の演出だと考えられるトウジとアスカの入れ替えについて、説明します。
トウジ退場とアスカ搭乗はマリのせいだった?
【真希波・マリ・イラストリアス】イギリス出身。ユーロ支部のパイロット。EVA仮設5号機、2号機に乗って活躍する。その詳細は不明(CV:坂本真綾)#kinro #エヴァ #エヴァまつり pic.twitter.com/oJRPRuc2cE
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アスカが3号機に搭乗した理由については、『:破』の物語で言えば、レイの手作り料理パーティの日と重なってしまったためアスカがテストパイロットを買って出た、という流れです。
しかし、実際には『:破』の時点ではエヴァに乗れるパイロットがもう一人いますよね。
そう、真希波・マリ・イラストリアス、ただしこの時点では、ミサトなどからは認識されていない正体不明の人物です。
マリが新劇場版において何らかの重要な役割を果たすのであれば、エヴァに搭乗しているマリの戦闘シーンは外せません。
それが、『:破』後半に登場するゼルエル風の第10の使徒との戦闘シーン。
マリの戦闘シーンを追加するためには、テレビアニメ版で最初にゼルエルと戦ったアスカのシーンを別の場所に持っていかなければなりません。
それが3号機のシーンだったのでしょう。
そしてアスカに押し出されるようにして消えてしまったのが、トウジが3号機に搭乗するシーンだったと言えます。
トウジでもアスカでも結末は同じ
【第9の使徒】EVA3号機を内部から浸食し、憑依した使徒。拘束具を破って4本腕となった3号機で、初号機と激しい格闘戦を展開する。#kinro #エヴァ #エヴァまつり pic.twitter.com/qGrRuPHxur
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3号機の起動実験日がレイが企画した食事会の日でなければ、3号機にはおそらくレイが搭乗していたのではないでしょうか。
フォースチルドレンとしてのトウジの存在が無い、つまり実験の内容的にはどのパイロットでもよかったはずです。
ただし、偶然にもその日はレイとシンジには外せない用事があったから、アスカがテストパイロットを買って出た・・・
テレビアニメ版の3号機の結末を知っている方からすれば、なんでアスカ乗っちゃうの!と思ったでしょう。
そして、パイロットがトウジではないなら、ひょっとしたら3号機の結末も変化するのでは・・・?という淡い期待もあったはず。
でも、結果はテレビアニメ版も新劇場版もほぼ同じ。
異なっているのは、トウジの3号機は粘菌性・浸食型の使徒『バルディエル』に侵されていましたが、アスカの乗った3号機を侵食していたのは『第9の使徒』であり、コアがエントリープラグを浸食して一体化していた事ぐらい。
3号機は使徒として、初号機によって破壊されました。
やはりトウジの時と同じように、視聴者にとってもシンジにとっても、アスカが3号機とともにズタズタにされてしまうというトラウマシーンとなってしまったのです。
三号機でアスカの印象が強まった
アスカ「そっか、私笑えるんだ…」。・゜・(ノД`)・゜・。 「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破TV版」放送中! #エヴァ #エヴァまつり #kinro pic.twitter.com/x3PORLhJ4N
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テレビアニメ版では、ゼルエルに最初に立ち向かっていったのはアスカの弐号機です。
でも新劇場版にはマリがいます。
マリの戦闘シーンを組み込んだ事で、アスカはより印象的な3号機搭乗シーンに回されたのでしょう。
なぜなら、アスカの存在を印象付ける必要があるから。
この3号機のシーンがアスカではなくトウジのままだと、トウジの印象は強く残りますが、アスカの印象は薄いまま。
序盤の第7の使徒、オブジェっぽい見た目の使徒撃破のシーンだけでは、アスカはほぼ視聴者の印象には残りません。
その後のサハクィエル風の第8の使徒との戦闘も、シンジ、レイを含めたチームプレイなので、アスカだけが目立って活躍しているワケではありません。
そして、もしそのまま『:Q』の世界に14年後のアスカが登場しても、視聴者的にはアヤナミレイ(仮称)の存在感ばかりが目につき、シンジ的にもアスカは『懐かしい』ぐらいの印象にしかならないでしょう。
つまり、トウジが3号機に乗らず、アスカが3号機に搭乗して初号機に撃破されたのは、アスカの印象を強めるためでもあったと考えられます。
トウジの結末を知っているなら、より不安で印象的なシーンとなったはずです。
まとめ
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』では、トウジが食べていた棒アイスが『ハズレ』だった事が、フォースチルドレンとして、また3号機のパイロットとしての立場を外れたとも思えるような描かれ方をしていました。
彼、漫画版でもテレビアニメ版でも散々な目に遭いましたが、さらに新劇場版でもトウジと言えばこのシーン!の部分の出番を奪われてしまいました。
新キャラ・マリの登場によって、トウジと入れ替わるように3号機に搭乗したアスカも散々ですが、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』でマリが何らかの重要な役割を果たさなければ、それこそトウジもアスカも『ハズレ』役と言わざるを得なくなってしまいます。
できれば、トウジもアスカも幸せな結末を迎えてほしいところ。
特にトウジは、漫画でもテレビ版でも、新劇場版でも役どころが切なすぎますからね。
死亡、左足切断、そしてエヴァ搭乗ナシですから・・・
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』では生き残りから『ハズレ』たのではなく、サードインパクト後もトウジは生きていた!というシーンが追加されている事を願います。
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