若い人たちを中心に共感者が続出した『固定電話恐怖症』。
学校を卒業してどこかの会社へ就職すると、大抵の場合『自分の知らない誰かから(取引先など)から掛かってきた電話を受ける』という、固定電話恐怖症には耐えがたい苦行が待っています。
自分の携帯電話に掛かってきた電話であれば、知っている人なら出てもいいし、知らない人なら出ない、という選択も可能です。しかし、会社の固定電話に掛かってきたものを無視し続けることは不可能と言えるでしょう。
今回は『固定電話恐怖症』の原因と克服の方法を探っていきましょう。
目次
固定電話恐怖症だと電話が苦手と感じてしまう
『固定電話恐怖症』だと、とにかく電話が怖い・苦手と感じてしまいます。
電話に出る事どころか、電話がなる事にもストレスを感じて体調を崩してしまう場合もあるようで、思っている以上に事態は深刻です。
若い人を中心に・・・という事ですが、いまだに私も会社の電話に出るのは苦手ですけどね(汗)
入社当初はかなり強く「電話イヤだな」って思っていました。
どうせ私じゃわからないんだから、最初からわかる人が出ればいいのに・・・って。
実際に固定電話を廃止した事で作業効率がアップした会社も存在するようです。
それは羨ましい!
電話が苦手になる原因
電話が苦手になる背景には急速に普及した携帯電話や、実際の会話をしなくても相手と『会話』できてしまうLINE等、『どこの誰かもわからない人が電話を掛けてくる』なんて事がほぼ起きる事が無い日々が浸透した事にもあるようです。
経験不足
もし、自分の携帯電話に突然電話が掛かってきたら・・・
登録していれば名前が出るし、登録もしていない電話番号なら無視するかもしれません。
電話の相手になるのは家族や友人知人である場合が多いでしょう。
つまり、知っている人と電話をする事は経験済みでも、お互いに名乗らなければならないような間柄の人と電話するような経験は、携帯電話が普及している現在では経験しにくいとも言えます。
これが『固定電話恐怖症』の原因のひとつではないかと言われているようですね。
つまり、『経験不足』だと。
しかし、私は入社してからもう何年も経ってますけど、固定電話って何だか苦手です。
ひとくくりに『経験不足』で済むものなのかなぁ?と疑問に思う部分はありますが、『経験を積む』事によって『苦手』は治らなくとも『何とか対応する事ができる』という領域に到達できる可能性は、確かにあります。
苦手をさらに加速させる失敗経験
私が入社した頃、電話に出る事がさらにイヤになるような経験を何度もしました。
それは『失敗』をする事とその失敗を叱責される事。
- 初めて聞く相手先の名前がわからない
- 聞きなおしていいものかどうかもわからない
- どう答えていいのかわからない
- 相手の要件がイマイチ理解できなかった・・・
新人であれば、誰もが経験する失敗だとは思います。
でも、それを理不尽に怒る人がいる。
だからますます苦手になるという悪循環。
なんでそんなに怒るの?最初から自分で電話に出ればいいじゃん!っていつも思ってました(笑)
私が経験したもので一番理不尽だと感じたものは、
- △△社の▲▲さん:「〇〇さんをお願いします」
- 私:「〇〇さん、△△社の▲▲さんからお電話です」
- ○○さん:「今は手が離せないって言って」
- 私:「申し訳ございません。○○は今、手が離せないそうです」
- 電話切る
- 〇〇さん:「手が離せないじゃないでしょ!何てこと言うの?お客さんなんだよ!」
・・・は?
今だからこそ、こういう場合は「あいにく席をはずしております」などと適当な事を言ってやり過ごす事ができるかもしれませんが、当時は無理でした。
対応の仕方を予め教えてくれる人もいませんでしたので、当然と言えば当然。
こういう事が重なると、『電話が苦手』に拍車が掛かってしまうんですよね・・・
社長から直々に怒られた事もあったような(汗)
固定電話恐怖症の克服には成功経験が必要
嫌な経験をしつつ、時には対応を褒められる事もありました。
マニュアルがきちんとあるような会社であればいいのですが、そうでなかった場合や、マニュアルには無いような突発的なものは『自分の経験』が頼りになってしまうという事があります。
そういう時に何とか対応して、小さな事でも褒められると安心しますよね。
モチベーションアップにも繋がります。
そういう『ちょっとした成功経験』を繰り返して、今でも電話に出るのには苦手意識を持ちつつも、『とりあえず電話には出る』という事くらいは可能に。
つまり、固定電話が苦手な場合の克服方法は『成功体験』という事になります。
もしも固定電話対応について、わからない事や苦手だと感じる事があれば頼れる人に相談してみましょう。積極的に『HELP』を出す事で、周りも気に掛けてくれるようになるはずです。
この時『そんなこともできないの?』とか言う人には絶対に相談しないほうがいいですよ。
固定電話恐怖症の人のための対策は?
克服には成功経験が必要とは言え、小さな成功をおさめるまでが長いんですよね(汗)
『できない』が重なると心も疲弊して、ますます電話が苦手になってしまうかもしれません。
ではどのようにして苦手を克服していくか、いくつかの固定電話恐怖症対策を紹介します。
マニュアルを覚える・用意する
電話対応マニュアルが存在する場合は、とにかく内容を覚えましょう。
インプットした内容を、トイレに行った時や帰り道、自宅でも口に出してアウトプットするようにすれば、全くの無防備状態よりもずっとスラスラ『セリフ』が出てきますよ。
マニュアルには無いような対応が求められる突発的な出来事に出会った時は、その時にどんな対応をしたか、どのような対応が正解だったのかを書き留めておきましょう。
1度失敗してしまっても、経験上のマニュアルが増えていけば自身にも繋がります。
会社によってはマニュアルが存在しない場合もありますね。
そんな時は同僚や先輩の電話対応の仕方を観察して、自分の電話対応マニュアルを作ってみましょう。
自分で考えながら作り上げたマニュアルは成長にも繋がります。時々先輩に見てもらって、間違いやもっと良いやり方などを学ぶのもいいですね。
自分を励ます言葉や誉め言葉
自分に自信を無くしている時に限って、痛恨のミスなどをしてしまうんですよね。
そしてどんどん気持ちは沈んでいく・・・
でも、失敗を経験する事によって次は成功する場合ってとても多いじゃないですか。
「次は大丈夫!」
「失敗だって経験のうち!」
自分を励ましてみましょう。
もう一度言いますが、気分が沈んだ時ほど普段はしないようなミスをしてしまったりします。
気分を盛り上げて、サクっと気持ちを切り替えてしまいましょう。
そして1日が終わった時には自分を褒めてあげてくださいね。
「昨日できなかった事が今日はできた、自分、エライ!」
「今日は何度も電話対応しちゃった!スゴイ!」
スゴイ自分をイメージしたり、気分を盛り上げるのって実はとても大切な事なんです。
イメトレです。
頭に刷り込んだら、電話対応もきっと乗り切れますよ。
家族や友人と電話をしてみる
最近増えてきたという『固定電話恐怖症』は文字でのやり取りが簡単にできてしまう事も原因の1つという見方があります。
つまり、いつでもどこでも『通話』ではなく『文字での会話』をするような時代なワケです。
今まで文字を使って会話していた人にとって、そりゃ『通話』なんて緊張するし、イヤですよね。
なので、気兼ねなく通話できる相手、例えば家族や友人などと敢えて『通話』をしてみるという方法もアリだと思います。
『通話』の経験を積む。
通話の機会をあまり持てていなかった人にはおすすめです。
固定電話恐怖症の人を手助けするには
新人にとって、会社の電話対応は『恐怖の対象』とも言えるでしょう。
頑張って電話対応しても怒られたら・・・?
次からは電話にストレスを感じて体調を崩してしまうかもしれませんよね。
もしも固定電話恐怖症の人がいる場合、上司・先輩・同僚はどのような対応をすればいいのでしょうか。
電話対応できたら褒める
固定電話恐怖症の克服には『成功体験』が必要だと書きました。
成功体験をするには、先輩や上司の『いいじゃん!良かったよ!』っていう声が必要でもあるのです。
固定電話恐怖症の人にとっての電話対応は、本当なら仕事なんてほったらかして逃げ出したくなるくらい辛いものです。
それなのに頑張って電話対応した。
それだけでも褒められるような出来事なのです。
だからもし、電話に悩んでいる部下や同僚、後輩がいたら褒めてあげてください。
ただし、電話対応をするしかない、というような状態に持ち込むような大げさな褒め方には注意してくださいね。
「お!今の感じ、いいね」って軽く言ってあげるだけでも自信に繋がります。
失敗を必要以上に責めない
新人のうちは誰でも失敗をします。
もちろん先輩達もそれは承知の上ですよね。
しかし、おそらく固定電話恐怖症の後輩がいたとしたら、電話対応の仕方がなかなか成長しないかもしれないですよね。同期入社の新人と比べると、ずっと歩みは遅いでしょう。
でもそんな後輩をサポートするのも先輩の役目。
ほかの同期と比べて電話対応が苦手な事を責めたりしないように注意が必要です。
だからと言って、失敗を見逃せと言うのではありません。
電話が苦手な人がいる場合には、万が一の時にはいつでもサポートするからね、という周囲の協力体制が必要です。
もし失敗してしまっても、いざとなったら頼れる先輩がいるんだ!という安心感があればこそ、電話って『嫌なもの』から昇格できると思うのです。
そんな素敵な環境であれば、サポートしてくれる周囲のために自分でも何とかしてみよう、という前向きな気持ちも湧いてくるというものです。
まとめ
会社の固定電話って、この先もずっと存在するのでしょうか?
直接話したい人の携帯電話に掛けてもらったり、営業やお客さんならチャット対応とかになればいいのにって思ってしまいます。
知らない人と会話したり、その場の急な判断が求められる電話は、特に新人のうちは難易度が高いですよね・・・
会社の固定電話が鳴ったら、入社〇年目以上の人が対応する、とかっていう風潮が広まればいいのに!
『固定電話恐怖症』
甘えているという声もありますが、ある程度会社の事がわかるようになってから対応したいんだけどなって、入社したばかりの頃は毎日思っていましたし、ワケのわからない電話に出るのは正直苦痛でした。
それでも、この先もしばらく会社に居座っているであろう『固定電話』。
『電話が苦手で悩んでいる人がいる』という事自体を、もっと社会に広めていく事が必要なのかもしれませんね!
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