ジブリ映画『アーヤと魔女』の主人公アーヤは、ある日魔女のベラ・ヤーガとマンドレイクの2人が住む家に引き取られます。
身寄りのない子供が集団で生活する場である『聖モーウォード子どもの家』にやってきた気難しそうな女性と無口な男性の2人はとても子供好きなようには見えず、男性のほう、マンドレイクなんかは子どもたちの方に顔すら向けていない様子。
しかもアーヤがマンドレイクを見つめると彼の体は紫色の炎のようなものに包まれ、天井まで届くほど大きくなって・・・
アーヤだけがマンドレイクの謎の変化に気づいたようです。
周りには見えていなくて自分だけ見えちゃうって、ちょっと怖いですよね!
この記事ではマンドレイクの正体と、すぐに怒って怖そうなのにアーヤには優しくしてくれる理由について考察していきます。
目次
アーヤと魔女のマンドレイクの正体
『アーヤと魔女』に登場する大男、魔女のベラ・ヤーガと暮らしているマンドレイクとは一体何者なのでしょうか。
無口で猫背、耳がツノのようにとがっていてちょっと怖そうな雰囲気。
度々イライラを募らせている様子からも、やや短気なイメージのおじさんです。
気に入らないことがあるとすぐに怒りを表に出してしまうマンドレイクですが、さらにその怒りが限界を超えると・・
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その姿はもう人間のものとは言えません。
炎のようなものに包まれた、得体の知れない何かに姿を変化させてしまいます。
ここではまず、マンドレイクの正体について考えていきましょう。
マンドレイクの特徴
マンドレイクは無口、そして2mはあるだろうほどの身長の高い男性で、上に向かって長く伸びた角にも見える耳を持ち、常にメガネをかけている人物です。
感情によってメガネの奥がスパークしたり、血管の浮き出たおでこの部分の色が変化したり、体から魔力と思われる紫色の湯気を立たせたり。
時には普段と異なる恐ろしい姿となってガチギレすることもあるようです。
ひとことで言えば、感情が表に出やすい人。
沸点が低いのか、自分の好物を嫌いと言われれば怒り、自分の本の評価が低ければ怒り・・・要するに自分を否定されることと煩わされることが大キライ。
やや子供っぽいところがあるのでしょうか。
そして相当なカタブツで融通が利かない人物である様子。
彼が書いた小説は、アーヤに言わせれば『時間の無駄』であるほどつまらない内容だったようです。
マンドレイクの正体は悪魔?
マンドレイクの怒りの姿は、もうアーヤも開いた口が塞がらないほど。
赤黒い炎に包まれ、鋭い牙と爪、手脚はうろこのようなものに覆われて・・・
デーモン・チビデーモンたちを従えながら怒り狂うその様子は、まるで破壊の王といったところです。
鋭い牙、ツノ(のように見える耳)、怒りに燃えた目の奥、魔力を持ちデーモンたちを従えるマンドレイクの正体は、やはり『悪魔』の一種でしょう。
怒りにまかせて暴れられたらもう大変。
身を守るためには、彼の怒りを落ち着かせる方法を身に着けておいたほうがよさそうです。
マンドレイクがアーヤの父親の可能性
アーヤと魔女の物語の中では、ひょっとしたらアーヤの父親ってマンドレイクだったりする?と思ってしまうような描写が登場しています。
例えば、若い頃のマンドレイクはアーヤの母親のことが好きだったかもしれませんよね。
アーヤの母がキスでもするかのように顔を近づけた際の照れる様子や、ベラ・ヤーガを『あいつ』と呼ぶのとは違い、アーヤの母のことを語るときには『彼女』と大切そうに呼ぶ様子。
それらのことから、特別な想いがあったように感じます。
さらに、マンドレイクがデーモンを操るように、アーヤにも人を操る才能があること。
アーヤの人の心理を利用して自分の思い通りにしてしまう力は魔法とは言えませんが、マンドレイクと似たような力を持っているのは偶然でしょうか。
物語の中で、アーヤの父親については触れられていません。
だからこそ、マンドレイクが実はアーヤの父親なのではないかと疑ってしまうワケですが・・・
ただ、個人的にはマンドレイクはアーヤの父親ではないと考えています。
だって、マンドレイクがアーヤのお父さんだったら、お母さんはわざわざ子どもの家にアーヤとバンド時代の痕跡を残していかないと思うのです。
マンドレイクの性格上、娘をほったらかしになんてしないでしょうし、行方不明であればデーモンに命令してアーヤをさがしたりするでしょうからね。
あくまでもアーヤの母親はマンドレイクにとって『かつてのバンド仲間で、自分たちの前から去った人物』なのだと思います。
アーヤと魔女のマンドレイクがアーヤに優しい理由
魔女のベラ・ヤーガと違って、アーヤにはわりと優しく接してくれるマンドレイク。
彼はなぜアーヤに良くしてくれるのでしょうか。
キツイ口調のベラ・ヤーガはアーヤには優しくないですが、すぐに怒りを露わにするマンドレイクは、その怒りをアーヤにぶつけることはありません。
ここでは、ベラ・ヤーガが恐れるマンドレイクがなぜアーヤには優しいのか、その理由について考察します。
マンドレイクはアーヤに優しいというより中立的
なんだかちょっと怖そうなマンドレイク。無口で煩わされるのが大嫌いで、他人にはあまり興味が無さそう・・・なのにアーヤのことは気になる様子。
ベラ・ヤーガがアーヤに少しも優しくせず、厳しい口調で接しているからでしょうか。
魔女の助手として引き取られたものの、アーヤはまだ子供。
しかも大人数で暮らしていた『子どもの家』と違い、たった3人の生活、自由に外に出ることもできない魔女の家。
ベラ・ヤーガがと今までも長く一緒に暮らしてきたであろうマンドレイクは、彼女の職人気質な性格をよく知っています。
助手がほしいと願ったときも、実はちょっと不安だったのかもしれませんよね。
助手にするなら魔法も料理もきちんと教えてやれ、というのがマンドレイクの考え方。
一方で、何でも『見て覚えろ』というタイプのベラ・ヤーガ。
その中でもマンドレイクは、まだ子供であるアーヤに対して大人として接している、ベラ・ヤーガには大人同士として接している、それだけではないでしょうか。
マンドレイクが優しいのではなく、アーヤが子供でマンドレイクが大人であるというだけ。
そして、ベラ・ヤーガを完全否定するわけでもなく、あからさまにアーヤの味方につくわけでもない。
マンドレイクなりに女性陣に気をつかいながら生活しているのかもしれませんね。
だからこそベラ・ヤーガの見ていないところでコッソリとアーヤにお菓子を差し入れたり、掃除をさぼった罰として出されたはずの食事が、なぜか量も質も充分ものになっていたりしたのでしょう。
マンドレイクはアーヤの母の古い知人
マンドレイクは、実は『EARWIG』のキーボード担当。
つまりアーヤの母親がボーカル&ギターを担当していたバンドの元メンバーです。
ひょっとしたらマンドレークは、アーヤと初めて会った時から赤い髪の魔女とアーヤとの母子関係に薄々気づいていたのではないでしょうか。
魔女の母を持つアーヤですから、当然アーヤにも魔女の血が流れていると言えるでしょう。
アーヤが赤ちゃんの頃から持っている『EARWIG』のカセットテープにだって、実はお母さんの魔法の力が込められている可能性もあります。
マンドレイクだって、魔女のベラ・ヤーガが機嫌を損なわないように気をつかうほど恐ろしい魔力を持っていると考えられますから、その力でアーヤの中に眠る魔女の血、そして懐かしい人の魔力を感じ取っていたとしても不思議ではありません。
アーヤが何故か『EARWIG』のカセットテープを持っていて、魔女の家の中にあったラジカセから懐かしい曲が流れていても顔色を変えないのですから、彼が何も知らないということはないでしょう。
ただしマンドレイクがアーヤに優しくしてくれるのは、あくまでもアーヤがまだ子供だからというところ。
古い知人の娘だから、ということではなさそうです。
だって仕事熱心なベラ・ヤーガの態度って、イジワルではないにしても子供にとってはちょっとキツ過ぎますからね。
まとめ
ジブリ映画『アーヤと魔女』に登場するマンドレイクは、背が高く、常に背中が丸まっている無口な男性。
怒りの感情が顔に出やすく、その怒りが頂点に達するとベラ・ヤーガも恐れるほどの怪物に変化し、その姿からマンドレイクの正体は悪魔の類ではないかと考えられます。
彼がアーヤの父親だったら・・・という可能性については、残念ながらマンドレイクはアーヤのお父さんではないと思います。
なぜなら、アーヤのお母さんが赤ん坊を連れていたことを知っていたであろうマンドレークが赤ちゃんの行方を捜していないから、ケンカ別れの際にもアーヤの母親を追いかける素振りなどを見せなかったから。
ではなぜマンドレイクはアーヤに優しくしてくれるのかという疑問が出てきますが、それはあくまでもアーヤがまだ子供だから、でしょう。
顧客ではない相手であれば恐らく誰にでも厳しく接するであろうベラ・ヤーガに対し、カタブツながら大人としての対応ができるマンドレイク。
融通が利かないためつまらない小説を書いてしまうけれども、きっと『子どもの家』から引き取ったアーヤには責任を持っていたのではないでしょうか。
なんだかんだで最終的には本当の家族のように過ごしている様子の3人、さらに10年後がどうなっているのか気になりますね!
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