ひな祭りの季節、あちこちから聞こえてくるのは「おひなさま、まだ飾ってない」、「出したり片づけたり大変だよね」という声。
ついには、「おひなさま?買ってないよ、持ってない」という声も。
最近は女の子の伝統行事、ひな祭りの雛人形も「必要かどうかわからない」「特に無くてもいいと思う」という意見から、『持たない派』、『買わない派』が増えてきているようです。
実際、雛人形は『買わない』という選択もアリなのでしょうか?
おひなさまの役割と現代の住宅事情から考えていきます。
雛人形を買わない派が増えている
昔に比べ、雛人形を必ずしも必要としていない人が増えてきたようです。
確かに、ひな祭りと言っても『雛人形を飾る』、ひな祭りが終わったら『急いで片づける』ものであるなら最初から『必要ない』と思われても仕方ありませんよね。
持っていても出したり片づけたり煩わしいだけ、と考える人が出てきてもおかしくはないのです。
また、大きな雛人形は飾ったり片づけたりするだけでもそれなりのスペースが必要になりますから、当然スペースが確保できないと思えば雛人形は買おうと思えませんし、購入するにはそれなりの金額がかかる事から、欲しいとは思いつつ買えない、そしてそのまま持っていないという人もいるでしょう。
つまり、雛人形を買わない、持たない派はいくつかに分類できますね。
- 雛人形の必要性に疑問を感じている人
- 雛人形を飾る場所も保管する場所も無いという人
- 雛人形は欲しいけど、高いから購入を躊躇している人
『雛人形は買わない』と心に決めているなら、それで良いと思います。
しかし、買わなかったけどそれで良かったの?とか、買わない人って他にもいるかな・・・など、『買わなかったことに対してモヤモヤ』するのもイヤですよね・・・
本当は『買わない』という選択でスッキリするか、『やっぱり買おう』という選択でスッキリしたいと感じている人も多いと思います。
ちなみに、2014年に行われた年少~高校生女子の保護者に対するアンケート(参考:ベネッセ教育情報サイト)によると、約87%のご家庭には雛人形が『ある』、そのうちの約64%はおじいちゃんおばあちゃんに買ってもらったとの結果が出ており、雛人形を持っていても毎年飾るのは約74%という事です。
およそ13%は雛人形を持っていないようですが、まだまだおじいちゃんおばあちゃんが買って下さる場合が多いため、あまり望んでなくとも『持っている』というパターンもあるかもしれません。買ってもらえるならありがたいですが、住宅事情に沿ったものをいただきたいですね(笑)
雛人形を持っていてもスペースの問題や、出し入れの手間を考えて実際には飾らないご家庭も約26%あるようです。
雛人形には子供の厄を背負うという役割がある
ひょっとしたら雛人形って必要ないんじゃない?
お人形屋さんの宣伝に乗せられて買ってるだけかも!
そう思っている人って意外と多いのでは?
雛人形の意味はよくわからないけれど、女の子が生まれたからとりあえず買いましたって人もいるかもしれませんね。
もちろん私もその一人、意味なんて考える事も無く『女の子が生まれた』という理由で雛人形を購入しましたよ・・・
だって多くの場合、ひな祭りや雛人形の持つ役割を言い聞かされて育ってきたわけではありませんし、ひな祭りの由来などに触れる機会も少ないと思います。
しかし、雛人形やひな祭りについて調べてみると知らなかった事実もたくさん!
実は雛人形には生まれてきた女の子の『身代わり』という役割を持っているらしい!
女の子の持つ『厄』を引き受けてくれている身代わり人形というワケです。
一年に一度のひな祭りの時期に飾り、女の子の一年分の厄を引き受けてもらって、引き受けた厄を封じ込めるためにひな祭りの後、大切にしまいます。
昔は現代のように医療も衛生状態も発達していませんでしたから、子供が命を落としてしまうような病気になったりする事も多かったのです。
今でも神社などで見られるような『人形(ひとがた)』のように、『厄』や『災い』から子供を守りたいという親の思いと、人形に厄を移して祓うという思想から雛人形が用いられるようになりました。
雛人形にはビックリするほど重要な役割があったのですね。
雛人形は現代の住宅事情には合わなくなった?
市役所や小学校、幼稚園や保育園に大きな7段飾りの雛人形が飾ってある事、ありますよね。
広い空間で観賞するにはいいですが、それが自宅にあるとなったら話は別です。
広いお宅に住んでいるのであればあまり問題にならないかもしれませんが、賃貸住宅やそれほど広い部屋の無い家に住んでいる場合、雛人形と聞いて真っ先に思い浮かぶ問題が・・・
どこに飾るの!
どこに保管しておくの!
という事なんですよね。
ふすまを開ければ大きな一部屋になるような昔の住宅と違って、現代の家は狭い。
豪華で立派なおひなさま飾るような余裕は、ありません。
飾る場所にも片づける場所にも悩むくらいなら、雛人形、無くてもいいんじゃないの?ってなりますよね(笑)
そこで生み出されたのが、現代の住宅事情に沿った雛人形というワケです。
コンパクトなタイプの雛人形
省スペースで飾れるように工夫された雛人形です。
男雛・女雛だけのものから、小さくても三人官女などがいるタイプのものもあります。
雛段から組み立てるような必要も無く、サッと取り出せてサッと飾れるのがいいですね。
節分が終わり、雛人形を飾りました✨
コンパクトサイズだけどコロンとした感じが可愛くてお気に入り♥️
だけど見栄っ張りな義母は「こんなおもちゃみたいなの、お友達が来たときに恥ずかしい!」と。
「お義母さん、今どき雛人形の大きさなんて競わないですよ」って言いたいけど言えなくてモヤる…。 pic.twitter.com/D3UozF4jza
— 滝沢 琴子 (@channel4496) February 9, 2020
片付けが簡単なタイプ
収納ケースから雛人形が出てきて、収納ケースの上に飾るイメージのものです。
それなりの雛人形、かつ収納にも長けているという点が好評です。
そうそう、雛人形って出す時よりも片づける時のほうが大変なんです。片付けする時に手間がかからないのはポイント高いかもしれませんね。
雛人形は買わないという選択もアリ
では、実際雛人形を『買わない』という選択もアリなのか?
これについては『アリ』で良いと思います。
住宅事情や、金銭的な問題もありますから、ご家庭の事情に合わせても問題無いでしょう。
出し入れが面倒になって、結局出すことも無くなってしまったら意味がありませんし、金銭的に無理をする必要もないと思います。
もちろん、子供を『厄』や『災い』から守らなくても良いという意味ではありません。
雛人形が子供の『身代わり』としての役割を持っていて、厄を引き受けてもらうためのひな祭りがあるというのもわかりますが、雛人形を持っていれば『厄』から守られる、雛人形を持っていなかったら『厄』から守れないという事では無いからです。
実際に、江戸時代、きらびやかな雛人形を手に入れる事が出来たのはお金持ちだけで、庶民には手の届かないものでした。
そこで、雛人形の代わりに用いられていたものが『つるし雛』と呼ばれる手作りのつるし飾りであり、雛人形を買う事はできなくても、子供を守りたいと思う親の気持ちが込められています。
厄祓いであれば、神社などでも可能ですし、お参りをして健やかな成長を願うのも良いでしょう。
身代わり守りも売っていますよ。
また、身代わりの意味を持つ雛人形をやっぱり買おう!と思ったのであれば、住宅の広さや出し入れの労力を考えて『コンパクトタイプ』を考えてみるのもいいかもしれませんね。
家族で話し合って、雛人形を買うも良し、買わないも良し、大切な子供の健やかな成長を楽しみましょう!
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