2020年の台風発生は少ない多い?8月以降の傾向と上陸数や大きさ・強さ予想

台風のイメージ画像1 季節

2020年、台風は少ないのでしょうか?

それとも8月以降は台風の発生回数は増えていくのでしょうか?

 

7月には観測史上初、台風発生数が0となりましたね。

 

このまま台風は少ないのか、それとも多くなるのか。

8月以降の台風の発生や傾向の解説、大きさや強さの予想をしていきます。

 

2020年の台風発生は少ない多い?

過去10年間の台風発生数と平年値をまとめてみます。

過去10年間の台風発生数

台風のイメージ画像2

 

過去10年間に発生した台風数と接近数、上陸数は下記の表の通り。

 

西暦 台風発生個数 接近数 上陸数
2019年 29 15 5
2018年 29 16 5
2017年 27 8 4
2016年 26 11 6
2015年 27 14 4
2014年 23 12 4
2013年 31 14 2
2012年 25 17 2
2011年 21 9 3
2010年 14 7 2

※『接近』は台風が上陸したかどうかにかかわらず、台風の中心がそれぞれの地域のいずれかの気象官署等から300km以内に入った場合、『上陸』は、台風の中心が北海道、本州、四国、九州の海岸線に達した場合。気象庁データを基にしています。

 

 

10年の間に、台風の接近、上陸数が増加しているようにも見えますね。

ここ数年は年間で30近い台風が発生しているようです。

中には大きな被害が発生した台風もあり、台風発生時には充分な警戒が必要です。

 

 

記憶に新しいのが2019年の台風15号、19号。

2020年の台風15号は千葉市付近に上陸、関東各地で記録的な暴風となり、後に『令和元年房総半島台風』と命名されました。

また同年の台風19号は東海から東北を中心に広い範囲で記録的な大雨や暴風、高潮となり、複数の河川が氾濫するなど大きな爪痕を残し、『令和元年東日本台風』と命名されました。

 

 

7月は史上初の発生ゼロ

雨降りのイメージ画像

 

2020年の7月に台風が発生しなかったのは観測史上初。

これは2020年の梅雨が長かった事とも関係があるようです。

 

梅雨前線が同じような位置に居座り続けた原因は、『太平洋高気圧』がなかなか強くならず、梅雨前線を押し上げられなかった事にありました。

そもそも太平洋高気圧が梅雨前線を押し上げられなかったのには、インド洋の海面水温が平年よりも高い事で偏西風を蛇行させ、太平洋高気圧の北への移動を阻んでいたため。

 

インド洋の海面水温が平年より高い場合、西太平洋熱帯域からインド洋に向かって流れ込む東風の影響で台風発生域(日本の南の海上や南シナ海)の対流活動も不活発になり、台風の原因となる発達した積乱雲が発生しにくい状態になります。

 

2020年7月までは、まさにこの状態だったというワケです。

 

8月以降の傾向

2020年は5月、6月まで台風がほどんど発生せず、7月は史上初の台風発生数0となりましたが、8月以降は太平洋高気圧が例年通り日本付近へ張り出し、対流活動も活発化、台風も発生しやすくなると考えられます。

 

通常、台風の発生が最も多いのは、8月、9月頃。

6月、7月頃から発生が増えてきて、10月頃までの発生数が多めです。

 

2020年8月以降日本に上陸する台風の数予想

2020年の台風は、7月までは少なく、8月に発生数が増加し、9月にピークを迎えて接近や上陸が増えてくると予想されています。

 

7月に台風の発生が無かったものの、年間の発生数の予想は平年並みの26個前後

 

 

ちなみに『平年値』は下記の通り。

1981年~2010年の30年平均で、およそ26個の台風発生が平年値となります。

 

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 年間
発生数 0.3 0.1 0.3 0.6 1.1 1.7 3.6 5.9 4.8 3.6 2.3 1.2 25.6

※平年(値):気象庁では30年間の平均値を用いています。西暦の一の位の数字が1になる10年ごとに更新していますので、次に更新されるのは2021年です。

 

 

これを2020年に発生した台風と平年値の比較すると・・・

 

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2020年発生数 0 0 0 0 1 1 0 5
平年発生数 0.3 0.1 0.3 0.6 1.1 1.7 3.6 5.9 4.8 3.6 2.3 1.2
平年との比較 -0.3 -0.1 -0.3 -0.6 -0.1 -0.7 -3.6

※2020年8月20日現在

 

2020年の台風発生については、『平年並み』と予想されていますので、7月までが平年よりも少なかった事を考えると、8月以降に台風の発生は例年より多くなるかもしれません。

 

 

ただ、秋~冬にかけて、東部太平洋熱帯域でラニーニャ現象に近い海面水温分布、またはラニーニャ現象が発生する可能性があるとも予想されています。

 

この『ラニーニャ現象』とは、東部太平洋赤道域の海面水温が平年より低くなる現象の事。

 

ラニーニャ現象が発生すると南アメリカ側から吹く東風(貿易風)が強く、あたたかい海水が西寄りに移動、西太平洋熱帯域(インドネシア近海)の海面水温が上昇する一方、東部では冷たい水の湧き上がりが強まります。

 

 

もしラニーニャ現象に近い状態、またはラニーニャ現象が発生すると、台風発生位置が平常時よりも西寄りになります。

台風発生から消滅までが短くなる傾向にあり、このことから、台風が日本に接近・上陸する数は比較的少なめになるという事も考えられます。

2020年8月以降の台風の大きさ・強さ予想

台風のイメージ画像

 

ラニーニャ現象が予想されている2020年8月以降、台風発生から消滅までが短くなる可能性がある事から、台風は多く発生するものの、大型の台風や強い台風の発生は少なめになるかもしれません。

ただし油断は禁物、台風の発生や進路、強風や高波にも警戒は必要です。

 

ちなみにラニーニャ現象が起こると、日本では猛暑、寒冬となる傾向があります。

 

まとめ

台風は接近、上陸する事で大きな被害をもたらします。

2020年7月までは台風発生数が少なく、7月に関しては観測史上初の発生数0となりました。

 

しかし、今後も台風が少ないかと言えば、そうでもないようです。

 

発生数の予想は平年並みの26個前後となる見込み。

8月以降も気を抜かず、台風に対しての備えは十分にしておいたほうがよさそうです。

 

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