映画『タイタニック』のヒロイン・ローズは『現代』の世界において101歳のおばあさんの姿で登場します。
悲劇のタイタニック号に乗船するも奇跡的に救出された生存者のうちの1人であり、沈没したタイタニック号の内部調査についてのニュースをテレビで見て調査チームと合流したおばあちゃん。
今では年をとっているけれども昔はナイスバディだったという彼女は、沈没船の金庫から発見された絵のモデルでもあります。
そんな老ローズのラストシーン、気になりますよね。
ベッドに入り、タイタニック号の時計の前で待つジャックに会いに行ったローズは・・・死んでしまったのでしょうか?
目次
【タイタニック】ローズは最後死んだ?
自ら沈没地点にまでやってきたローズは、今まで誰にも話した事が無いという『ジャック』という男性との恋の物語を語ってくれました。
自分をあらゆる意味で救ってくれた人、タイタニックと運命を共にした人・・・
ベッドに入ってジャックと再会する『夢』とも思えるシーンは、ローズがこの世を旅立ち、海の底に眠るジャックに会いに行ったという事なのでしょうか。
それとも、過去を思い出した上での単なる『夢』だったのでしょうか。
ローズは死んでしまったという見方
老ローズは、誰にも言わなかったジャックとの思い出を語り、華々しく出港した豪華客船が悲劇に見舞われて海底に沈んだその場所にやって来ました。
101歳という高齢、自分を救ってくれた人が眠る場所。
パジャマ姿のままデッキに出て調査隊が探し求めていたハートオブオーシャンを投げ捨てたローズの表情は、なんだかスッキリしたようにも見えますよね。
このスッキリ感、すべてが片付いたのだという表情にも見えます。
その後ベッドで眠りにつく老ローズは、海の底に眠る人々に祝福されながら『ジャック』の待つ時計の場所へ・・・
周囲でローズを祝福してくれているのは、タイタニック号の事故に巻き込まれて命を失った人々です。
タイタニック号の設計士アンドリュース、ジャックと共にポーカーで勝ち取ったチケットでタイタニックに乗船したファブリツィオ、ジャックを慕っていた少女コーラ・・・
ハッピーエンドとも思えるこのシーンは、ローズが死んでしまった事を意味しているのでしょうか。
心の奥底にしまっておいた思い出を語り、誰にも見つからないようにハートオブオーシャンを海に投げ入れ、ローズの軌跡とも言える数々の写真に囲まれてベッドで眠る彼女は、たしかに『死んでしまった』ように見えなくもありません。
彼女の写真が示すように、ローズはタイタニックから生還した後、彼女なりに懸命に生きたのでしょう。
結婚して孫にも恵まれて幸せな日々、それでも夫に秘密にしていたタイタニックで出会った男性。
今を大切に生き、年老いて、ずっと心に残っていたであろうジャックとの思い出とハートオブオーシャンを解放した彼女にはもう、思い残す事がなかったのかもしれません。
ベッドで眠るローズのラストシーンは、人生を変えてくれたジャックの眠るその場所で、101歳の生涯を閉じたシーンのようにも見えてしまいます。
ローズの夢という見方
海底に眠るタイタニックの姿を目の当たりにし、調査船にやってきたローズ。
老体であるにも関わらずわざわざヘリコプターに乗ってまでやってきたのは、やはりタイタニックが眠る場所に行きたいという思いがあったからでしょう。
そこにはかつて愛した男性ジャックが、多くの犠牲者と共に眠っています。
救助され生き延びたローズは、ジャックのいない人生を歩みました。
彼女のその後の人生には、結婚し夫となった男性がいて、子供や孫もいます。
それでも、ジャックへの特別な思いは彼女の心にずっと残されていたのでしょう。
夫にもジャックの事を語らなかったのは、おそらく夫の気持ちを思っての事。
タイタニックが眠る場所までやってきたローズは、今夜だけ、夢の中でだけ、夫や孫娘に内緒でジャックに会いに行ったのかもしれません。
ジャックへのこれまでの思いが、今夜眠るローズの夢の中に現れたとも言えそうです。
ジャックの夢という見方
年老いたローズは、101歳になって再びタイタニック号が眠る場所までやってきました。
誰にも言わなかったジャックとの思い出、ハートオブオーシャンの在処・・・
心の奥に大切にしまっていたジャックへの思いを周囲に語り、唯一ジャックとの繋がりを持っているハートオブオーシャンを海に投げ入れたローズ。
『私はこれまで精一杯生きてきたわ』というメッセージなのかもしれません。
彼との約束通り、生き延びて結婚して子供を産んで。
ローズのメッセージを受け取ったのは、海底に眠るジャックでしょう。
数十年の時を経て、再びローズの心を受け取ったジャックの見た夢。
それが、時計の前で待つ自分のもとにローズがやってくる、というものだったのかもしれません。
共に眠る人々に囲まれて、祝福されて。
ようやくジャックは、安心して深い眠りにつくことができるのかもしれませんね。
【タイタニック】ローズが宝石を捨てるラストシーンの意味
『タイタニック』に登場するハートオブオーシャン(碧洋のハート)の名を持つ巨大なブルーダイヤモンドのネックレスは、ブロック・ロベットが率いる調査隊が探し求めている『お宝』でもあります。
タイタニック沈没と共に海の底に沈んだとされる青い宝石。
そんなスゴイお宝を、ローズはなぜ海に投げ捨ててしまったのでしょうか。
ハートオブオーシャンを持ち続けていた理由
ハートオブオーシャンと言えば、ローズがタイタニック乗船中に婚約者だったキャルドン・ホックリーから贈られた非常に高価な宝石です。
タイタニック号が沈没したにも関わらす宝石が無事だったのは、水に濡れたローズが冷えないようにキャルが掛けてくれたコートのポケットの中にハートオブオーシャンが入りっぱなしだったから。
その時からローズはずっと、ハートオブオーシャンを捨てずに持っていたという事になります。
大切に持っていた理由としてはおそらく、ジャックとの思い出が詰まっているものだから。
タイタニック号での出会い、ハートオブオーシャンだけを身に付けた自分を描くジャック・・・
それらは、ローズには忘れられない大切な思い出です。
宝石の金銭的な価値なんてローズには関係の無い事。
ハートオブオーシャンは彼女にとって、写真も残されていないジャックと自分を繋ぐお金よりも価値のある品物だったのでしょう。
宝石を海に投げ入れたラストシーンの意味は?
これまでずっとローズが持ち続けていたハートオブオーシャンは、ローズの手によってタイタニックの眠る海へ投げ入れられました。
ブロックが必死で探し求めているように、ハートオブオーシャンの発見は世界を揺るがす大ニュースになるはずです。
それなのに、なぜローズは宝石を海に投げ入れてしまったのか・・・
それは、ローズの心にしまわれていたジャックとの思い出の解放と共に、思い出の品であるハートオブオーシャンを封印するためだったのかもしれません。
人々が探し求める高価な宝石には、誰にも邪魔されたくないジャックとの思い出が詰まっています。
それなら、自分の思い出と共にジャックとタイタニック号がいる場所に眠らせてあげたい。
思い出の宝石は、ジャックと共にあってほしい。
そう考えても不思議ではありません。
『あっ』という声と共に海に落としたのは、『高価な宝石』なのに落としちゃった!どうしましょう!を演じたようにも感じられます。
海に落としてしまったら探すのは至難の業。
調査隊としては、ハートオブオーシャンはタイタニック号の中には無かったと発表する以外にありません。
投げ入れた宝石はジャックに届いてほしいと願いつつ、これまで誰にも言わずにいたジャックとの思い出も深い海の底に封印したのかもしれませんね。
ローズの恋物語の、一つの区切りと言えそうです。
まとめ
映画『タイタニック』のラストシーンは、ローズが死んでしまったのではないかと思ってしまうようなジャックとローズの再会シーン。
このシーンには3つの見方があります。
それは、
- ローズが死んでジャックと再会した
- ローズが夢の中でジャックと再会した
- ジャックの夢の中でローズと再会した
どのようにも捉える事ができる感動的なラストシーン。
個人的には、ローズの夢パターンが推しですね(笑)
老ローズが高価なブルーダイヤモンド・ハートオブオーシャンを海に投げ捨ててしまった理由として考えられるのは、人々が金銭的価値を求めて探すハートオブオーシャンでも、ローズにとってはジャックを感じる大切な思い出の品だったから。
101歳と言う高齢であれば、この世を去るのもそう遠い未来の話ではありません。
ハートオブオーシャンだけがこの世に取り残され人手に渡るよりも、大切な思い出と共に、タイタニックやジャックの眠る海に封印したかったのだと考えられます。
海に投げ入れたローズの表情、スッキリしていましたよね。
女の心は海のように秘密がいっぱい。
そう語ったローズの、人生において重要な役割を果たした男性との忘れられない恋物語が、ようやく彼女の中で一区切りついたという安堵の表情だったのかもしれません。
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