ゴールデンカムイの物語中、北海道に戻った杉元佐一や白石由竹らが雨竜川で出会った砂金採り名人の『松田平太(まつだへいた)』って、何となく怖いし不気味で掴みどころのない人物ですよね!
ここではそんな平太師匠について、彼の登場話が怖いと感じる理由、平太の正体、何年も前から熊(ヒグマ)に狙われているという妄言の理由について解説していきます。
目次
ゴールデンカムイの松田平太師匠が怖いし不気味!
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ゴールデンカムイに登場するへいた師匠って何だか怖い!そんな声が聞こえてきそうな彼の登場話。
怖くて不気味な理由はどこにあるのでしょうか。
まずは松田平太の話が怖い、不気味、そんなふうに言われてしまう理由を挙げてみます。
平太は何を考えているかわからなくて不気味
松田平太が登場する話数って実はそう多くはありません。
なのになぜこんなにも『こわい・・・』という印象が残るのでしょうか。
まず考えられるのは彼のふとした時に見せる独特な表情。
そしてウソか本当かわからないまま彼の口から語られるウェンカムイの話。
杉元らを命の恩人だとする平太と違って、砂金を採りにきた杉元らを良く思っていないであろう彼の家族たち。
なにか裏があるのでは?と勘ぐってしまうような平太の行動。
どこを取っても掴みどころのない人物であるように感じられます。
特に彼や彼の家族を狙っているというヒグマについては、杉元らは熊の足跡すら発見できない状態、アシリパからは熊の話は『嘘』だと断言までされてしまっています。
ウソをつく理由が何なのか見えないからこそ、平太師匠が怖くて不気味な人物に思えてしまうのではないでしょうか。
平太の登場回はホラー物語
実は松田平太の登場話って、ホラーな要素を含んでいます。
なぜなら、彼だけが見えている世界を中心に話が進んでいるから。
杉元らが見ているものと平太師匠が見ているもの、同じ場所にいながら見え方が大きく異なっている様子が描かれているのです。
平太師匠が怯えるヒグマは彼にしか見えていない、平太の家族も実在しない・・
真実が見えた時に『そうだったのか怖っ』って思えるのが松田平太回の醍醐味と言えますね!
平太師匠の正体は?
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では結局のところ、この不気味な松田平太は何者なのでしょうか。
もちろん、ただの砂金採りの名人ではありません。
ここでは、謎の人物・平太師匠の正体を解説していきます。
松田平太は入れ墨の囚人
松田平太は白石らと同じく、『入れ墨の脱獄囚』24人のうちの1人。
体には例のごとく直線と曲線、文字を組み合わせた模様が彫られています。
罪状は殺人罪であり、死刑を下された裁判の記録によると平太はヒグマの毛皮を被り被害者の体をズタズタにした上食い荒らしていたのだとか。
平太は別名『道東のヒグマ男』と呼ばれ、ヒグマの毛皮を被ると温厚そうな砂金採りの姿からは想像できないほどの怪力を発揮、獰猛な姿を晒します。
怪力、獰猛、殺人罪の脱獄囚人・・
これだけでもう見た目からは想像もつかない、うかつに近寄ることすらためらわれるような、かなり危険な人物であることがうかがえますね。
平太は多重人格者
実は平太師匠には獰猛な姿以外にもう一つ、正体と言える姿があるのです。
それは多くの人格を内に秘めた、言わば『多重人格者』であること。
彼の中には色々な人物が存在しているようです。
ヒグマが彼のひとつの人格だとすると、他には『親父』の人格、『次郎ニィ』の人格、『崇ニィ』の人格、『ノリ子姉ちゃん』の人格・・・
網走監獄の看守長・門倉の証言によると、ころころと口調が変わりたまに色っぽい女みたいになることもある、つまり容姿は平太でありながら平太ではない状態のときがある、という事になります。
さらに平太の『いつの間にか体に入れ墨が彫られている』という言葉から考えると、平太自身も意図的に人格を変えているワケではなく、さらに別人格になっている時の記憶を引き出すこともできないと言えるのではないでしょうか。
自分自身がヒグマに乗っ取られて身近な誰かを襲いに行く。
家族がヒグマに襲われる様を何度も目撃している・・・
彼の頭の中では記憶と現実が入り乱れ、誰にも理解してもらえない恐怖や不安に悩んでいたのかもしれません。
平太師匠が熊に狙われる理由
松田平太は入れ墨の脱獄囚の1人であり、ヒグマを含め多くの人格を持ってしまった人物です。
では、なぜ平太は次にヒグマに襲われるのは自分であり、何年も前から狙われているなどと言って怯えているのでしょうか?
ここでは平太が熊に狙われている理由、怯えているワケについて、杉元らが見ている世界(実際の様子・現実)がどうだったのかを含めて解説していきます。
熊は妄想で平太自身
漫画「 #ゴールデンカムイ 」22巻に当館所蔵資料がモデルの「煙草入れ」が登場しています!
実物は2階収蔵展示室の引き出しの中にひっそり展示しています。
展示室内での撮影は原則禁止ですが、ご希望の方は申請が必要ですので受付にお声掛けください。#苫小牧#平太師匠 pic.twitter.com/m68PdLG0IH— 苫小牧市美術博物館【公式】 (@tomakomai_amyu) July 30, 2020
前述の通り、彼が怯えている熊の正体は彼自身の妄想です。
平太がウェンカムイだと信じる頭の中のヒグマを恐れているのです。
なぜなら、幼い頃に聞かされたウェンカムイの話が夜も眠れぬほど恐ろしかったから。
ウェンカムイとはアイヌの言葉で悪い神様を意味します。
しかし平太は本来の意味を知らず、少しだけ聞きかじったその言葉からウェンカムイ=欲深い自分を罰する恐怖の存在であると勝手に決めつけてしまっていたようです。
悪い自分を懲らしめにくるウェンカムイ。
自分を襲いに来るヒグマのウェンカムイ。
ヒグマに体を乗っ取られ、人を襲い、最後に自分を喰いにやってくる。
想像力が豊かというか何と言うか・・・
彼は極度の怖がりであり、かつ、常に罪悪感を抱えて生きていた人物なのかもしれません。
彼の妄想が膨らみ過ぎた結果、彼の頭の中に想像上のヒグマのウェンカムイが生まれ、さらに心までがウェンカムイとして染まってしまったのでしょう。
平太の言うウェンカムイは家族を襲ったヒグマ
松田平太の家族はヒグマに襲われ死亡しており、平太以外生き残っていません。
ではなぜ家族はヒグマに襲われたのか。
それは平太がヒグマをわざとおびき寄せたから。
家族が生存している頃から、平太師匠は砂金採りの名人だったようです。
多くの砂金を採るも、それを家族に好き勝手に散財される日々。
そんな家族を平太は快く思っていなかった、というワケですね。
彼らを死ぬほど驚かせたい、散財に対する罰を与えてほしい、自分が砂金を採っているのになぜ家族に使われてしまうのか・・・
そんな事を考えていた時に偶然見つけてしまったのが、何と『ヒグマの喰い残しのエサ』。
それを家族のもとに持ち帰り、家族が寝る場所にそっと置いて・・・
ヒグマは、食べかけたものは自分のものという感覚が非常に強いようです。
大事に取っておいたエサを取られたら必ず取り返しに来る習性を持っているのだとか。
つまり平太の『ヒグマの喰い残しを持ち帰る』という行動は意図的にヒグマをおびき寄せるものであり、ヒグマがエサの近くで寝ている人間を襲うのはある意味当然の事と言えるのです。
悪い事をする家族に罰を与えてほしい。
悪い神様ならきっと彼らに罰を与えてくれる。
ひょっとしたら、平太は家族がヒグマに襲われ殺されてしまうところまでは想像していなかったのかもしれません。
単純に家族の元にウェンカムイがやってきたという演出で、死ぬほど驚かせたかっただけかもしれません。
しかし、エサを盗られたと勘違いしたヒグマは平太の家族を全員食い殺したのです。
そしてそのヒグマは猟師に仕留められ、残されたのはヒグマの毛皮と平太のみ。
平太の策略によって人を喰い、人を喰ったことによって猟師に撃たれ命を落としたヒグマ。それはウェンカムイとなって罪深い自分を襲いにやって来る。
平太はそう信じているのです。
杉元らから見えていた現実の様子
次に、杉元らが平太師匠と出会ってからの現実世界での出来事を整理してみます。
この場合の現実世界とは、平太が見ているものとは違う、あくまでも杉元らから見えている世界を指します。
平太が作り上げた非現実な世界では彼らの家族など複数の人物が登場していますが、杉元らに見えているのは平太ひとり。
助けてくれたお礼を兼ねて平太が杉元らに砂金採りのコツを教えている間も、杉元らに見えているのは度々『ヒグマがいる』と言いながら怯える平太師匠だけなのです。
あたりを捜してもヒグマは見当たりませんが、唯一見かけたヒグマらしきものは実はヒグマの毛皮を被った平太であり、頭巾ちゃんに『私を描いて』と依頼したのも平太、当然描かれているのも平太の姿です。
その後突然、平太はヒグマに襲われた家族の話で錯乱し始め、杉元らには状況が飲み込めないまま毛皮を被った平太と揉み合い、平太がウェンカムイに乗っ取られた自身の体に向けて罠として仕掛けていた毒矢を放った。
杉元らには平太の家族も家族を襲うヒグマも見えておらず、ウェンカムイの幻が見えているのは平太のみ。
アシリパは平太が頭の中で勝手なウェンカムイ像を作り上げているのではないかと予想してはいましたが、本当の平太の心の中は誰も見ることができなかった、というのは少し悲しい気がしますよね・・・
まとめ
ゴールデンカムイの松田平太師匠回は、独特の不気味な表情、ウソか本当かわからないヒグマのウェンカムイの話、何を考えているのかわからないその行動によって『怖い』というイメージが濃い人物・内容となっています。
彼の正体は砂金採りの名人であり24人の入れ墨の囚人のひとりであり、体には曲線と漢字を組み合わせたあの模様。
多くの人格を秘め、ある時は平太の家族の誰かであり、ある時はヒグマの毛皮を被りウェンカムイとなって人を襲う彼。
しかし本当の松田平太は、家族を間接的に殺してしまった罪悪感を強く抱いていたのではないでしょうか。
ヒグマに姿を変えて人を襲った事実は消えませんが、杉元の力を借りつつ、自らの意志で自身の心を蝕むウェンカムイを倒した彼の最期は達成感に溢れたものだったのかもしれません。
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