『ハウルの動く城』のハウルとソフィーは、それぞれ指輪をしています。
ハウルの指輪は、街でソフィーに声を掛ける前から身に付けていたもの。
ソフィーの指輪は、マダム・サリマンの元へ出向く際にお守りとしてハウルからもらったものです。
この記事では、人差し指にはめられた彼ら2人の指輪にはどのような意味があるのか、また、物語終盤でソフィーの指輪が壊れてしまった理由についても考察していきます。
目次
【ハウルの動く城】ハウルとソフィーの指輪の意味は?
王宮へ向かうソフィーに、ハウルがお守りに渡した指輪。このシーンの絵コンテには、「指輪の意味は女と男でちがうらしい」と書き込まれています。罪つくりな男性ですね…。ほんとにーー😭 #ハウルがカッコ良すぎて #ハウル #キムタク #木村拓哉 #夏はジブリ pic.twitter.com/2Xo2VxkuxQ
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ハウルとソフィーは、ちょっと太めで赤い石のついたデザインの指輪を身に付けています。
お揃いの2人の指輪。
何か特別な意味を持つ指輪でしょうか。
魔法アイテム・お守り
ハウルがソフィーに指輪を渡した際、指輪は『お守り』だと言っています。
ハウルは日頃から荒れ地の魔女に見つからないようにするためのアイテムを大量に集めているような人物ですから、ハウルの指輪とソフィーに渡した指輪がその魔女除けアイテムの1つであっても不思議ではありません。
ただ、指輪をしていてもハウルは街で荒れ地の魔女に追われていましたし、ソフィーだって荒れ地の魔女にバッタリ。
このことから、どうやらハウルとソフィーの指輪は荒れ地の魔女除けのお守りではないものと考えられます。
では、何の『お守り』なのでしょうか・・・?
ところでこの指輪、カルシファーの居場所を教えてくれたりする『魔法のアイテム』。
ひょっとすると、カルシファーやハウルの魔力と繋がっているのかもしれません。
指輪にカルシファーやハウルの魔力が込められているのであれば、2つの指輪はお互いに引き合うという可能性もありますよね。
ハウルにはソフィーの居場所がわかり、ソフィーにはハウルの居場所がわかる。
もちろん、カルシファーの居場所もわかる。
離れていても、指輪によって繋がっている。
そういう意味で『お守り』なのかもしれません。
思い返せば冒頭の2人の出会いのシーン、『探したよ』と言ってソフィーの肩に手を置いたハウルの右手の指輪は微かな光を放っているようにも見えますから、ハウルは本当にソフィーをさがしていたとも考えられます。
契約の日に一瞬だけ姿が見えて、名前が『ソフィー』で・・・
世界中でたった一人の女性を捜し出したハウルに恋をしたソフィー、運命を感じますね。
集中力と積極性が高まる人差し指の指輪
ハウルはソフィーに指輪を渡す際、さりげなく左手の人差し指にはめています。
ハウル自身の指輪は、右手の人差し指。
お互いに人差し指、というところが意図的な気がします。
単に自分の左手の人差し指から指輪を抜いたから、ソフィーの左手の人差し指にはめたのでしょうか。
実は、指輪をはめる指によって、様々な意味があるのだとか。
よく知られているのが左手の薬指の指輪。
愛を深めるとして、結婚指輪をつける指でもあります。
ではハウルとソフィーが指輪をはめている人差し指。
人差し指の指輪がどのような意味を持つのか、気になって調べてみると・・・
右手の人差し指は集中力が増す指、左手の人差し指はポジティブになる指なのだとか!
ハウルは右手、ソフィーは左手の人差し指に指輪をはめています。
つまり、ハウルがわざわざ右手の人差し指に指輪をしているのは、集中力を高めるためと言えそうです。
荒れ地の魔女から向けられる魔力にいち早く気づくため、もしくは、自分の魔力をより高めるためかもしれません。
そして左手の人差し指は積極性が増す指。
ソフィーにはポジティブになってもらいたい、そういうハウルの気持が込められているような気がしてなりません。
おばあちゃんの姿になってコンプレックスから目を背けているソフィー。
もっと自分に自信を持って!というハウルからのメッセージかもしれませんね。
指輪はハウルからのプロポーズ?
愛する人から指輪をもらう。
それだけでプロポーズなのでは?と思ってしまいますよね。
だって、ソフィーはハウルに恋をしています。
しかし、指輪を貰ったシチュエーションを思い出してみると・・・
ソフィーはハウルの代わりに王様に会いに行かされるところ。
ハウルの恰好は、だらしなく布団にくるまっている状態。
美しい自分が大好きなハウルが、そんな格好のままソフィーにプロポーズするのかどうか。
いくらソフィーに臆病で情けない姿を見られているハウルでも、愛する人に指輪を渡す時くらいシャキッとしそうなものです。
しかも、指輪をしているのはお互いに人差し指。
もし指輪にプロポーズの意味が込められていたとすれば、一生ソフィーに『布団にくるまって裸足にスリッパのまま人差し指に指輪をはめてプロポーズされた』と言われ続ける事になるでしょうね。
つまり、ハウルがソフィーに渡した指輪はプロポーズのためのものではなかった、と言えるのではないでしょうか。
【ハウルの動く城】ソフィーの指輪が壊れた理由
物語終盤、ソフィーの指輪は壊れてしまいます。
何かに反応しているように強く震えた後、はじけ飛ぶようにして消えてしまった指輪。
なぜソフィーの指輪は壊れてしまったのでしょうか。
考えられる理由は3つ
- 魔力の使い過ぎ
- カルシファーとの契約解除
- ソフィーの解放
これらの考察について、順に説明していきますね。
指輪の魔力を使いすぎたから
「ハウルが死んだらどうしようー」普通ではありえないほどの大粒の涙は、「千と千尋の神隠し」でおにぎりを食べながら涙をこぼした千尋とも共通しています。ソフィーのあふれだす思いが表現された印象的なシーンですよねー😭感動やわーー😭😭😭❤️ #ありえないほどの大粒の涙 #夏はジブリ #千尋 pic.twitter.com/ad3rVPmpBc
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ソフィーの指輪には、カルシファーやハウルの居場所を示す力があります。
荒れ地の魔女を助けるためとは言え、夢中になってカルシファーに水をかけてしまったソフィーですが、カルシファーとハウルが死んでしまったらどうしようと強く思った事がキッカケとなって『過去の世界』に導かれます。
指輪の光が示したのは『現在』の世界のカルシファーやハウルの居場所ではなく、『過去』の世界のカルシファーとハウルの居場所。
『現在』のカルシファーとハウルの魔力が著しく低下していたからなのかもしれません。
もしくは、ソフィーの大粒の涙が指輪に新たな能力を与えたのかもしれません。
単に心で呼んだ誰かの居場所を示すだけでなく、時を越えてしまうほどの魔力を発揮した指輪。
通常よりも大きな魔力による反動で壊れてしまったようにも見えます。
実際に、王宮からの帰り道にカルシファーを心の中で呼んだ時のような赤い光ではなく、過去の世界へソフィーを導いたのは青い光。
指輪が放つ青色の光は、通常(赤色)とは違う魔力である事を表していたのではないでしょうか。
カルシファーとハウルの繋がりが切れた?
『過去の世界』に導かれたソフィーが目撃したのは、カルシファーとハウルの『契約』の現場です。
カルシファーとハウルの契約は、契約の秘密を見破られない限り解かれることはありません。
その秘密を見破る事になったのが、過去の世界で契約の様子を見ていたソフィー。
ハウルの心臓がカルシファーに与えられている事を知ったのです。
そしてその瞬間、指輪はまるで役目を終えたかのようにはじけ飛び、壊れてしまいました。
壊れた指輪は、ソフィーが『契約』の秘密を見破り、カルシファーとハウルの契約が解かれた事を意味しているようにも見えます。
ただ、ソフィーのものと同じデザインのハウルの指輪は壊れていないので、『契約』と指輪が結びついていたという考察にはやや無理があります。
ソフィーが解放されたから
イメージボードには帽子について「おしゃれというよりヘルメット」と書かれています。防御しようとする無意識の表れなのでしょう。 #kinro #夏はジブリ #ハウルの動く城 #宮崎駿 pic.twitter.com/1VzL4gkgoh
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ソフィーはこれまでの人生、コンプレックスを心に抱きながら生きてきました。
美しい妹、華やかな母、自分には帽子を作っているだけの地味な日々が良く似合う・・・
そんな日常から抜け出すために手を差し伸べてくれたのがハウル。
しかしコンプレックスのカタマリのソフィーは、自分を素直に表現できず、老婆の姿にならないと心が解放されないというややこしい女性。
荒れ地の魔女にかけられた呪いは、ソフィーの内面を外見に表すものだとも言えます。
これまではおばあちゃんの姿で本当の自分を隠してきたソフィーは、自己暗示によって外見をコロコロ変化させてきました。
死にゆく流れ星に自らの心臓を与えたハウルの姿を見て、ソフィーは美しさ云々で自分に仮面を着けている場合ではないと感じたのかもしれません。
ソフィーの指輪が壊れたのは、自分は美しくないというコンプレックスからの脱却、解放だと考えられます。
まとめ
『ハウルの動く城』に登場する魔法使いハウルとヒロインのソフィー。
彼らは同じデザインの指輪をしています。
指輪自体はハウルが自分で用意したものかもしれませんが、ソフィーの指輪はハウルからもらった大切なもの。
『お守り』の役目を担い、カルシファーやハウルの居場所を教えてくれる魔法のアイテムです。
ハウルの指輪の力が発揮されたとハッキリとわかるようなシーンは登場しませんが、ハウルの指輪もまたカルシファーやソフィーの居場所を教えてくれるアイテムである可能性は高いでしょう。
2つの指輪は元々ハウルが両手にはめていたものである事から、ペアになっているのかもしれません。
しかし2個セットの指輪であったとしても、それぞれ集中力・積極性が増すという『人差し指』にはめているため、プロポーズの意味は薄いと思われます。
ただ、もしこれが婚約の意味を備えていたら大変。
ソフィーの指輪は物語の終盤に壊れてしまうのですから!
ソフィーの指輪が壊れた理由として考えられるのは、
- 魔力の使い過ぎ
- カルシファーとハウルの契約切れ
- ソフィーの自己暗示からの解放
契約が行われた日に、一瞬だけ出会うハウルとソフィー。
契約の秘密を知っているのは、後にも先にもソフィーだけだったのです。
ハウルは指輪の魔力を使って、自分たちを救ってくれるはずのソフィーの居場所を探していたのかもしれません。
そしてカルシファーと自分の契約を見破ってくれることをずっとずっと、待っていたのでしょうね。
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