『ハウルの動く城』に登場する男の子・マルクルは、ハウルの城の住人です。
幼いながらもハウルを手伝い、火の悪魔カルシファーとも仲良くやっている様子。
ソフィーがハウルの城にやって来た時には、すでに城で生活していましたよね。
城にいたという事は、このマルクル少年はハウルとは近しい関係にある人物なのでしょうか・・・?
この記事では、マルクルとハウルの関係性、そしてマルクルがソフィーを大好きになった理由について、考察を含めた解説をしていきます。
目次
【ハウルの動く城】マルクルとハウルの関係は?
ハウルの城に住んでいる少年の名前はマルクル、居住歴で言えばソフィーよりも先輩です。
どう見てもまだまだ幼い男の子ですが、ハウルの城で暮らしている理由について映画内では語られていません。
なぜ小さな子供がハウルの城にいるのか、気になりますよね。
マルクルはハウルの弟子
「待たれよ…」マルクルの声は当時小学校5年生だった神木隆之介さんが演じています!『千と千尋の神隠し』の坊役も印象的でしたね!作画監督の山下明彦さんによると、最初は生意気な男の子という設定だったため、無意識に「坊」のイメージに近くなってしまったんだそう。☞続く #ハウル #マルクル pic.twitter.com/J9y2qUxtOg
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マルクルはハウルの、魔法使いとしての『弟子』です。
マルクルもハウルの事を、ハウルさん、お師匠さんって呼んでたりしますよね。
あくまでもハウルとマルクルは師弟関係。
親子や兄弟、親戚関係ではないようです。
そんな魔法使いハウルの弟子であるマルクルは、ハウルによって調合されたと思われる『まじない』の販売と、訪ねてくるお客さんの対応を担当。
ドアがノックされる度、白髪交じりのグレーの長いひげを蓄えた姿に変身します。
かわいらしい子供の姿では『ハウルの代理人』として信用されない可能性がありますからね。
何と言ってもお客さんは子供から大人まで色々、職業も地位も様々な人々がハウルを訪ねてやってきます。
時には国王からハウルへの手紙を預かるなんて事もあります。
だからこそマルクルは『待たれよ』なんて貫禄のある喋り方をして、わざわざ年老いて経験豊富な魔法使いのフリをしているのでしょう。
ちなみに、マルクルが髭を生やした姿に変装する時に被っている青いマント。
おじいさんの姿への変身はマルクル本人の魔法の力ではなく、被っているマントに込められた魔力によるものではないかと思われます。
来客対応をするマルクルのため、ハウルが特別に用意した魔法のアイテムなのかもしれませんね。
ハウルはマルクルの恩人?
実は『マルクル』という人物は、原作小説には登場していません。
原作にハウルの弟子として登場するのは『マイケル』と言う名前の15歳の少年です。
『ハウルの弟子』という点から、原作のマイケルをモデルとして描かれているのがアニメ版のマルクルだと考えられます。
原作小説に登場するマイケルは幼い頃に母を亡くし、続いて父を嵐で亡くして一人ぼっちになってしまった男の子。
誰にも引き取られず行くあてもない中、ハウルの城に通じる戸口に座り込んでいた事がキッカケとなってハウルらと暮らし始めました。
原作小説のマイケルがアニメ版マルクルのモデルであるならば、マルクルもまた母親と父親を亡くし、誰にも引き取られず行くあても無い少年だったと言えます。
マルクルの年齢は、見た目から推測するとおそらく6,7歳~10歳程度。
ハウルが両親に無断で幼いマルクルを連れ歩いているとは思えませんから、やはりマルクルの両親はすでに亡くなっているのでしょう。
一人ぼっちになってしまっていたマルクルを城に引き入れて生活させているのであれば、マルクルにとってハウルは恩人。
弟子としてハウルの城で働きながら生活している理由とも繋がります。
【ハウルの動く城】マルクルがソフィーや家族にこだわる理由
マルクル「ぼくら、家族?」
ソフィー「そう、家族よ」マルクル「よかった!」
あーー、なんか感動ですーーー😭
やっぱり、ハウルの動く城、面白いわーー#ハウルの動く城 #ハウル感動 #マルクル #夏はジブリ #ミアちゃん pic.twitter.com/7M83wOjS9w— アンク@金曜ロードSHOW!公式 (@kinro_ntv) August 10, 2018
マルクルはソフィーの母親であるファニーが城を訪ねてきた際、ソフィーが母親と共にいなくなってしまうのではないかと不安気な様子を見せています。
ソフィーにとってファニーは母親なので、紛れもなく家族。
しかしマルクルは、血のつながりは無くても一緒に生活しているソフィーと自分たちは『家族』なのだという強い思いを持っていました。
ソフィーと自分が『家族』かどうかにこだわるマルクル。
ソフィーと『家族』である事は、マルクルの願望でもあるのです。
ソフィーをお母さんのように感じている
まだ幼いマルクルですが、おそらく彼の両親は存在しません。
その理由は前述の通り、原作小説の『マイケル』の映画版が『マルクル』なのだとすれば、両親を失い行き場を失っていたからこそ、マルクルはハウルの弟子となってハウルの城で暮らしています。
ソフィーが現れる前は、ハウル、カルシファーと共に散らかり放題の典型的な男所帯とも思える環境で生活し、『まじない』を売り来客対応の日々を過ごしていたマルクル。
ソフィーが城にやってきた事で、生活は一変します。
見た目は90歳のおばあちゃんソフィー。
ズカズカと彼らの生活に入り込み、有無を言わさぬような大胆な掃除を行い、本来ハウルにしか従わないはずのカルシファーをムリヤリ従わせて料理までしてしまう強引っぷり。
城の主であるハウルでさえも、ソフィーの破天荒な振る舞いには参っているようです。
ハウルにとってはいい迷惑だと感じられたかもしれませんが、マルクルにとっては、城の主であるハウルのいう事を聞かず、城を清潔に保ち、みんなのために料理をするソフィーの姿が新鮮だったはず。
何と言っても、ハウルが掃除も料理もほとんどしていなかったようですからね。
お母さんって、ひょっとしたらソフィーみたいな人の事を言うのかもしれない・・・
両親のいないマルクルは、ソフィーにお母さんのような存在を感じたからこそ『大好き』になったのでしょう。
マルクルはまだまだ幼い子供。
両親が恋しいと感じてもおかしくない年齢なのです。
家庭のあたたかみを感じている
ハウルとカルシファーの3人で城の中で暮らしていた時には、マルクルにとってハウルの城はあくまでも師匠の家。
弟子として住み込みで働いている、というイメージだったかもしれません。
しかし、ソフィーが城に現れてからは・・・
口うるさくて所かまわず掃除してまわるソフィー、魔力を失ってソフィーよりもさらにおばあちゃんの姿になってしまった荒れ地の魔女、マダム・サリマンの犬であるヒン、カブ頭の謎のカカシなど住人がどんどん増えていきます。
あっという間に大所帯。
家族との思い出が少ないであろうマルクルにとって、大所帯になったハウルの城は家族や家庭の温かみを感じられる『家』としての空間になったのではないでしょうか。
カルシファーの炎が揺らめく暖炉の傍に集まるだけでも、『家族』の存在を感じられたはずです。
第一、あれだけ暖炉に留まる事を嫌がっていたカルシファーでさえ、自由の身になっても『家族』の元に戻ってきましたからね。
しかし実際にはソフィーにも、ファニー(ソフィーの母)やレティ―らの家族がいます。
ひょっとしたらソフィーには、帰るべき家が別にあるのかもしれない・・・
ソフィーには血の繋がりのある家族がいる事を知ったマルクルは、『ソフィーが城からいなくなっちゃうのでは?』という大きな不安に襲われます。
だからこそ『どこにも行かないで』と願い、『僕ら、家族?』と、わざわざソフィーに確認したのです。
マルクルがソフィーと自分たちは『家族』なのかどうかを気にしたのは、ソフィーの帰るべき家がハウルの城であってほしかったからですよね。
マルクルにとって、お母さんを感じられる人物はソフィーだけ。
ソフィーがいなかったら、ハウルの城での生活も物足りないものなってしまうかもしれません。
髭の変装から子供の姿に戻ってソフィーに抱きついたのは、マルクルの『子供として』の不安な気持ちをソフィーに吐露したからでしょう。
もちろん、ソフィーが帰りたいのもマルクルが待つ家、ハウルの城。
帽子屋を畳んで母親は再婚、妹は住み込みで働いているため、今ではソフィーにとっても『帰れる家』はハウルの城だけとなっているのです。
まとめ
『ハウルの動く城』の髭を生やしたおじいさんの姿に変装するマルクルは、魔法使いハウルの『弟子』として働いています。
つまり、ハウルとマルクルだけの関係性で言えば『師弟関係』にあたります。
しかし誰に気を遣うでもなく、自分の思うようにふるまうソフィーが城に現れ、城の住人が増えると状況は一変。
ハウルの城は彼らにとって帰るべき『家』となり、城の住人は『家庭』を感じられるような賑やかなものになりました。
その気持ちはマルクルも、そしてハウルもカルシファーも同じだったのでしょう。
ハウルとマルクルの関係性は『師弟』を保ちつつも、ソフィーを中心とした『家族』の印象が濃いものへと変化していきました。
お母さんみたいで大好きなソフィー、そして尊敬する魔法使いハウル、弱々しくなってしまった荒れ地の魔女のおばあちゃん、身軽になったカルシファー、不思議な鳴き声のヒン・・・
大勢の『やっかいものたち』に囲まれて、おそらく両親を失っている幼い少年マルクルは、ようやく『家族』の安心感を手に入れる事ができたのかもしれませんね。
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