『ハウルの動く城』に登場するイケメン魔法使いハウルと、暖炉にいる火の悪魔カルシファーとが結んでいる契約は、カルシファーが死んでしまうと、同時にハウルも死んでしまうという結果をもたらすもののようです。
運命共同体、というワケでしょうか・・・
この記事では、
- ハウルとカルシファーの契約の内容
- 最後のシーンでカルシファーが死ななかった理由
これらについて、考察を含めた解説していきます。
目次
【ハウルの動く城】ハウルとカルシファーの契約とは?
ハウルとカルシファーの契約の内容は、作品後半に登場数『過去のシーン、ハウルの少年時代のシーン』に描かれています。
ハウルを助けるため、彼の居場所を指し示す光を追っていくと、ソフィーはいつの間にかハウルの幼少期を眺めています。
つまり、ソフィーはハウルとカルシファーが出会った『過去』を見ているのですよね。
そこでソフィーが目撃したのが、ハウルとカルシファーの契約の様子。
しかし、彼らの声は聞こえず、セリフでの説明がされていないのでわかりにくいと感じた方もいらっしゃるかもしれません。
カルシファーの正体は流れ星
『過去の世界』でソフィーが目撃したのは、空から降ってくる無数の流れ星。
流れ星は空から降ってきては、やがて燃え尽きたように動かなくなります。
水の中に落ちて燃え尽きた星の子は命を失ってしまった様子で、物も言わず沈んだまま・・・
その無数の流れ星の中でも、カルシファーは偶然にもハウルの元に落ちた流れ星であり、ハウルと出会った事により生き永らえたのです。
人間の一部をもうらうと魔力が増す
カルシファーはハウルの城の動力源です。
ハウルとの契約によって暖炉を離れられませんが、強制的に城から出されてしまうとあっという間に城は崩れ、瓦礫の山となってしまいます。
今まで動かしていたものでも、一旦崩れてしまった城を動かすのはカルシファーでもなかなか難しい様子。
崩れた城を動かすためにはソフィーの目をくれればいいといいますが、目の代わりにソフィーは自身の髪の毛をカルシファーに与えます。
突然目をくれって言われてビックリしちゃいますよね・・・
ソフィーの髪の毛をもらったカルシファーは、力を取り戻し、体から大きな炎を噴き出すようにして崩れた城の一部を動かす事に成功。
しかし、城は以前よりもかなり小さくなりました。
この髪の毛を与えるシーンが、ハウルとカルシファーとの契約がどのようなものだったのか、その後の『過去の世界』でソフィーが理解するためのヒントとなっています。
また、目や心臓をくれればもっとスゴイぞ!というカルシファーのセリフからも、与えるのが人間の大切な部分であるほどに魔力が増す事がわかります。
ハウルとカルシファーの契約の内容
元流れ星のカルシファーは、偶然にもハウルの元に落ちました。
しかし、他の流れ星と同じように、空から落ちた流れ星はやがて燃え尽きて死んでしまう運命。
ハウルはこの時、死にゆく運命のカルシファーと契約を交わしました。
契約の内容は、おそらく、
- カルシファーに心臓(ハウルの最も大切な部分のひとつ)を与える
- ハウルの心臓を得たカルシファーは、城に留まりハウルに力を与える
だったのではないでしょうか。
契約を結んだことにより、カルシファーは生き延びるためにハウルの心臓を得て、ハウルは城の動力源ともなっている火の悪魔の力を得たのです。
これだけだと、何とも恐ろしい契約のように思えますよね。
しかし、カルシファーは心臓が重くて自由に動けず、城を動かすために暖炉に留まっていなければならない事を面白く思っていないようではありますが、悪魔の力を使いすぎて人間に戻れなくなりそうなハウルの身を案じている様子があります。
また、ハウルはカルシファーをこき使っているように見えますが、『友達』と呼んで大切にしています。
ハウルとカルシファーそれぞれの様子から、彼らの『契約』は力を得ようとするハウルの悪企みによるものではなく、実際には死にゆくカルシファーを助けたいという気持ちから結ばれたものだった事が伺えますね。
- 契約:ハウルが悪魔の力を得ようとして結んだもの(×)
- 契約:ハウルがカルシファーを助けるために結ばれたもの(〇)
ちなみに原作小説では、彼らの契約は命を助けようとしてくれたハウルの気持に応えるためにカルシファーから申し出たものであり、契約がもたらす弊害(やがて悪魔に支配されてしまうかもしれない事)については、当時はお互いに知らなかったようです。
【ハウルの動く城】ハウルとカルシファーが最後に死なないのはなぜ?
カルシファーは、最終的にソフィーに水を掛けられたりして散々な目に遭いますよね。
でも、あんなに怯えていた水を被っても死なない。
さらには、ハウルに心臓を返してもカルシファーは生きています。
なぜカルシファーは死なずに済んだのでしょうか。
ソフィーが魔法を使った
実は原作小説では、ソフィーはモノに命を吹き込む魔法使いとして描かれています。
ソフィーの魔法の力は、話しかけた言葉通りの能力を持つというもの。
映画内ではソフィーの魔法については描かれませんでしたが、ソフィーがハウルに心臓を戻す際、『どうかカルシファーが千年も生き、ハウルが心を取り戻しますように』という言葉を呟いた場面が魔法を使ったシーンと言えます。
ソフィーが命を吹き込む魔法を使ったからこそ、カルシファーは死なず、ハウルは無事に自分の心臓を取り戻す事ができたのでしょう。
では、ソフィーがカルシファーに思わず水をかけてしまうシーン。
このシーンはどうしたら説明がつくのでしょうか・・・?
水が苦手なカルシファーに、元荒れ地の魔女を助けるためとはいえ、無我夢中で水をかけてしまったソフィー。
かなり弱ってしまった様子を見せたものの、それでもカルシファーは死ぬことはありませんでした。
原作小説には、この水ぶっかけシーンはありません。
ソフィーが命を吹き込む魔法を無意識に使っていたとすれば、『死なないで』という必死の心の叫びがカルシファーにも荒れ地の魔女にも届いたという事になりそうです。
ハウルの心臓が戻され契約が解除された
「こりゃひどい、体が石みたいだ」
「そうなの、心って重いの!」 #金ロー #ハウルの動く城 #ソフィ #心って重い pic.twitter.com/qCNjzZywh3— アンク@金曜ロードSHOW!公式 (@kinro_ntv) August 10, 2018
ソフィーの手によって、ハウルに心臓が戻された事でハウルとカルシファーの契約は消滅しました。
ハウルの心臓を失っても生きていられるようになったカルシファーは体も軽くなり、もう城の暖炉に留まる必要も無く、念願の自由の身となったのです。
ハウルもまたカルシファーの中にあった自分の心臓が戻った事で体が重たく感じ、『心を取り戻した』様子が描かれました。
これでもう、徐々に悪魔に支配されていくような事もありません。
ハウルを助けたいというソフィーの強い気持ちが、彼らの『契約』の正体を見破り、打ち破ったというワケですね。
ところで、あれだけ暖炉に留まっている事を嫌がっていたカルシファーですが、いつでも自由に飛び回れるとなったら、やはり『家族』の元に帰りたくなったようです。
なんだかんだ言っても、ハウルやソフィーに囲まれた城での生活が楽しかったのでしょう。
『雨が降りそうだから戻ってきた』というのは、カルシファーの精一杯の強がり。
素直じゃないところがカワイイですね。
まとめ
『ハウルの動く城』のハウルとカルシファーは、お互いが結んだ契約により縛られています。
彼らの契約とは、
- ハウルはカルシファーに自分の心臓を与える
- カルシファーはハウルに火の悪魔の力を与える
というもの。
カルシファーとの契約を結んだままでいると、やがてハウルの心は悪魔に支配されてしまいます。
しかし、カルシファーからハウルの心臓を取り出せば、カルシファーの命の保証はありません。
そんな彼らの救世主となったのがソフィー。
ハウルを愛する気持ちがソフィーに『契約』がどのようなものなのかを見破らせるキッカケとなり、ソフィーの持つ命を吹き込む魔法が、彼らのどちらも死なせることなく契約を解除する唯一の方法となりました。
結局契約を解除しても、カルシファーはハウルたちから離れません。
『家』の心地よさを覚えてしまったのでしょうね。
ジブリアニメの中でも屈指の恋愛映画とも言える『ハウルの動く城』。
ハウルとソフィーが、彼らの家で新たな家族たちと共にいつまでも幸せに暮らせますように・・・
命を吹き込む魔法を使えなくとも、そう願いたくなるような作品です。
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