『キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦』では、天帝国(帝国)とネビュリス皇庁は長く続く抗争状態にあります。
敵対する『帝国』と『ネビュリス皇庁』。
しかし水面下では、よからぬ動きがあるようです。
ただの敵対関係とは言えない、帝国と皇庁の関係、そして複雑な思惑が絡み合うネビュリス王家の内部抗争についても解説します。
目次
【キミ戦】帝国と皇庁の関係
イスカの出身国である『帝国』と、アリスの故郷『ネビュリス皇庁』。
お互い相容れない存在であったはずの両国。
しかし、国民や一般兵士にはわからないような秘密が、裏には存在するようです。
帝国とは
通称『帝国』、正式名称は単一要塞領域『天帝国』。
機械仕掛けの理想郷と呼ばれるこの国は、世界最大領土を誇り、世界の覇権を握っています。
帝国の首長であり象徴であるのが『天帝』、帝国の最高意思決定機関である『帝国議会』を統括するのが、8人の最高幹部『八大使徒』、天帝直属の戦闘員が『使徒聖』と呼ばれています。
使徒聖は現在11名。
イスカも魔女脱獄事件の犯人として投獄される前は、史上最年少の『使徒聖』でしたが、現在はミスミス隊長率いる第907部隊の一般兵士です。
ネビュリス皇庁の成り立ち
およそ100年前、帝国が『星脈噴出泉(ボルテックス)』を発見した事がキッカケで、体に『星霊』を宿す人間、つまり『星霊使い』が誕生しました。
『星霊』は、人間に憑依する性質を持っています。
憑依された人間は、体の一部に謎の痣(あざ)が出現し、魔法さながらの人間の力をはるかに超える謎の能力を持つようになるのです。
超常の力・・・
そういうものを、人は恐れます。
帝国の人々は、『星霊』に憑依された人間を『魔女、魔人』として恐れ迫害、一方で迫害された人たちの間でも、帝国に対する憎悪が膨れ上がりました。
迫害、そして憎悪。
そんな中、最強の星霊を体に宿した少女が現われます。
後に『始祖ネビュリス』と呼ばれる少女が圧倒的な力をもって帝国を火の海に。
始祖ネビュリスは帝国を火の海に変えた後、休息のため長い眠りにつきました。
そして、始祖ネビュリスの双子の妹、後に『ネビュリス1世』と呼ばれる人物が、迫害された魔女・魔人のために『魔女たちの楽園・ネビュリス皇庁』を新たに建国したのです。
帝国とネビュリス皇庁は敵対関係にある
帝国は星霊使いを『魔女・魔人』と呼んで恐れ迫害しました。
迫害された星霊使いは憎悪を膨らませ、帝国を火の海に変えました。
この事件が、その後100年以上続く帝国vs皇庁の引き金でもあります。
まあ、そもそものキッカケは星霊使いを迫害した帝国側にあるのですが・・・
つまり、帝国とネビュリス皇庁の両国は、およそ100年前から敵対国、長い間にらみ合い、戦争を続けているという間柄なのです。
帝国とネビュリス皇庁の裏のつながり
女王『ネビュリス8世』の命を狙った女王襲撃事件。
アリスの母である女王、そして王宮を攻撃したのは、まぎれもなく『帝国の兵士』たちでした。
しかし、同時期にルゥ家の別荘を攻撃してきたのは、なぜか『帝国兵の姿に変装した星霊使い』。
これは何を意味しているのか・・・
つまり、ルゥ家や女王の失脚、もしくは女王や純血種を拘束するために『帝国』だけでなく『星霊使い』も関わっている。
帝国と繋がっているネビュリス皇庁側の人間がいる、という事です。
- 星霊使いが扮する帝国兵。
- 人工的に怪物の姿に変化するヒュドラ家の養子。
- 帝国と仲良くしていた時期があると話すルゥ家の長女。
これらは、帝国と皇庁には女王も知らない『何らかの関係』がある事を示唆しています。
表向きは100年以上も敵対関係にある2国ですが、裏では密かな繋がりがある、という事ですね。
ネビュリス王家の内部抗争
『ネビュリス皇庁』は、『帝国』と表向きは敵対関係、裏には密かな繋がりがある。
これだけでも皇庁内を揺るがす一大事。
しかし、さらに水面下の見えない部分では、皇庁内王家における『内部抗争』の構図もあるようです。
対帝国だけでは団結できないネビュリス皇庁。
実は、『純血種』と言われる始祖ネビュリスの血を引く3つの王家は、常に『女王』の座を狙っています。
この『女王の座』を巡る戦いがあるからこそ、強固な結束力を持てないのかもしれません。
アリスやシスベルが憂いていたように、ネビュリス皇庁は『一枚岩ではない』のは確実。
つまり皇庁は、君臨する『女王』を中心に成り立ってはいますが、水面下では駆け引きや陰謀、策略、裏切りが横行しているという事ですね。
ネビュリス王家とは
【キャラクター情報10】
TVアニメ『キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦』のキャラクター情報を公開!
アリスリーゼやシスベルの母親で、ネビュリス皇庁の現女王!
ミラベア・ルゥ・ネビュリス8世 を担当するのは久川綾さんです! https://t.co/73oYSIZ5Ly #キミ戦 pic.twitter.com/O3w1eHZJYE
— 「キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦」公式 (@kimisen_project) August 31, 2020
ネビュリス皇庁には、始祖ネビュリスの末裔である3つの王家が存在します。
- ルゥ家
- ゾア家
- ヒュドラ家
それぞれの家に当主がおり、各家の娘は次期女王候補者でもあります。
現ネビュリス皇庁の女王を務めているのは、ルゥ家の『ミラベア・ルゥ・ネビュリス8世』。
ルゥ家の時期女王候補は、3人の王女『イリーティア』、『アリス』、『シスベル』。
女王の二女にあたるのが、『キミ戦』ヒロインの『アリスリーゼ・ルゥ・ネビュリス9世』です。
ただし、女王の娘が次期女王になるとは限らず、次期女王は王位継承権者たちによる『女王聖別儀礼(コンクラーヴェ)』によって決まります。
いわゆる、女王選挙。
有力者や国民からの支持だけでなく、星霊の強さや統率力などによっても勝敗は左右します。
『ルゥ家』のアリスや『ゾア家』のキッシング、『ヒュドラ家』のミゼルヒビィの圧倒的な戦闘力、星霊の力が弱くても、気品と美貌で有力者の支持を増やし続けるアリスの姉イリーティア。
皇庁の女王は、早期に引退するのが決まりです。
現女王のミラベアも、女王として君臨するのはあと数年、もしくはあと1年ほどかもしれません。
ミラベアの引退が近い。
つまり、女王聖別儀礼(コンクラーヴェ)が行われる日も近い。
アリスやイリーティアに限らず、各家の当主や王位継承権者たちはみな、次期女王の座を狙っていると言っても過言ではないのです。
ゾア家の思惑
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『キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦』
最新7巻、9/20(金)刊行です!
カバーを飾るのは「棘」の純血種キッシング。
お待たせした分、最大級の勢いで突き進む全力の物語になったと思います。どうかご期待くださいね! pic.twitter.com/GGnvK3HLfI— 細音啓@『神は遊戯に飢えている。』、TVアニメ『キミ戦』10月放送 (@sazanek) September 2, 2019
『ゾア家』は、帝国に対して強硬姿勢を崩さない、始祖ネビュリスの末裔、『純血種』の家系で、ネビュリスの3つの王家のうちの1つです。
ゾア家は、帝国との膠着状態を続けようとする『ルゥ家』を快く思っておらず、有事の際には『現女王の責任』を追及する事で、女王そしてルゥ家の失脚を狙っています。
そんなゾア家の推す時期女王候補は、黒髪の少女『キッシング・ゾア・ネビュリス9世』。
仮面卿オンが『アリスをも上回る』と豪語する星霊使いであり、『棘』の星霊の力は攻撃&消去という恐ろしいもの。
常に眼帯を身に付けている少女の姿は異様ですが、いざ戦闘となれば敵にしたくない、圧倒的な攻撃力を持っています。
ヒュドラ家の陰謀
【新刊お知らせ】
『キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦』
最新8巻、本日20日刊行です!
TVアニメ化も決定で大反響のシリーズなので、ぜひぜひ本屋さんでチェックしてみて下さいね! pic.twitter.com/uATexcze4w— 細音啓@『神は遊戯に飢えている。』、TVアニメ『キミ戦』10月放送 (@sazanek) December 20, 2019
『ヒュドラ家』は、裏では何を考えているのか、ネビュリス王家でありながら密かに帝国との繋がりを持っています。
ヒュドラ家は帝国の力を使って女王の座を、いや、女王の命すら狙っています。
そんなヒュドラ家の推す女王候補はモデルのようなスタイルの『ミゼルヒビィ・ヒュドラ・ネビュリス9世』。
ミゼルヒビィはアリスやキッシングにも劣らない、恐ろしい星霊の力を持っています。
女王捕獲を目論む帝国にとって、ヒュドラ家のような存在は好都合。
ネビュリス皇庁の内側からヒュドラが女王の命を狙い、帝国は外側から女王捕獲を狙う。
暗殺、捕獲、どちらが成功しても、帝国にとっては不都合がありません。
ルゥ家の裏切り者
お姉さまくっつきすぎですわ pic.twitter.com/eg3xm7wNbR
— 「キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦」公式 (@kimisen_project) May 5, 2020
『ゾア家』、『ヒュドラ家』だけでなく、現女王のいる『ルゥ家』でも良からぬ動きがあるようです。
それは、なぜかルゥ家の情報が他家に筒抜けになってしまっている事。
シスベルの遠方派遣の件、イスカに護衛を頼んでいる件、帰りの時間までも・・・
すべてが筒抜け状態でした。
さらには『女王襲撃』の際にも、アリスが王宮にいない事を事前に知っていた帝国側。
なぜ内部の情報が外に筒抜けだったのか。
考えられるのは、ルゥ家の内部にも密通者、密告者がいる、という事なのです。
アリスはイリーティアを疑っています。
シスベルはイリーティアとアリスを疑っています。
イリーティアはアリスとシスベルを疑っています。
その後『誰が密告者だったか』は、明らかになるのですが・・・
姉妹間でも繰り広げられる戦いというのは、感情的にも厳しいですよね。
まとめ
『キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦』では、単に敵vs味方の構図ではない、複雑な国同士の関係性が描かれています。
国vs国の、さらに水面下では家vs家。
帝国剣士『イスカ』とネビュリスの姫『アリス』がロミオとジュリエットのような関係なのか、というような単純なものではないようです。
物語は国家や王家、世界を揺るがすような謎の研究を絡めながら大きく動いています。
今後帝国やネビュリス皇庁はどのようになっていくのか、ネビュリスの内部はどうなってしまうのか、物語の展開が気になりますね!
キミ戦については、こちらのまとめ記事もどうぞ!
相関図や登場人物についてまとめています。
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