思い出のマーニーが難しい意味がわからないと感じる7つの疑問!解釈の仕方について考察

『思い出のマーニー』のイメージ画像 思い出のマーニー

スタジオジブリの『思い出のマーニー』

一度だけ観たよ、という人なら納得していただけるでしょうが、非常に難解です。

 

話の内容が難しいというワケではなく、言っている事・伝わってくることは非常にシンプルで分かりやすいのですが、『頭がついていかない』という表現が当てはまるかもしれません(汗)

 

思い出のマーニーは場面が切り替わりすぎて難しい

『思い出のマーニー』は、杏奈の心模様なのか、現実の世界・明らかに現実ではない世界・現実なのか現実でないのかわからない世界がランダムにあらわれて、ボーっと見ていると何が何だかわからなくなってしまいます。

一生懸命観ていたとしても、それはそれで頭が迷宮入りしてしまいそうになるんですよね(汗)

 

途中の出来事を一切気にせずに観れば、『杏奈成長したねぇ、良かったねぇ』で終わる感動ストーリーでしょう。しかし、この作品には『何で?今の何で?わかんなかった!』という部分が多すぎなんです・・・

 

思い出のマーニーの意味がわからないと感じてしまう謎めいた部分

現実なのか、現実ではないのか。

現在なのか、過去なのか。

 

『思い出のマーニー』は元々、何回も観るように作られているのかもしれません。

 

一人の少女が成長していく物語ではありますが、映画そのものは、『観ているこちらが不思議な体験をしているように思えてくる』作品になっています。

それゆえ、意味がわからない・・・と悩むような場面に出くわし、観終わったあとも『??』と疑問符が頭の中を駆け巡ることになります。

 

もちろん、『原作を読んでいないからだ!』と言われればその通り、しかし原作を読んだ後で映画を観る人ばかりではありませんし、もし原作を知らなければ、より簡単に『不思議体験』を味わえるのですから、どちらが良いとも言えません。

 

ここでは、初見で頭がついていかなくなる、謎めいた部分をおさらいしてみます。

 

昼間は空家で夜は灯りがともる家

空家だったはずの家に灯りがともっている。

ボロボロだったはずの空き家がキレイになっている。

夢の中なの?現実なの?という最初の体験は、ここからスタートしていますよね!

 

空家だったはずの窓の向こうに微かに見える少女・・・もうホラー映画かと思うようなドキドキ感です。

たいていホラー映画って、その少女が急にこちらに振り向いて、「ギャー」ってなるわけで・・・

 

ホラーではない事を知っていながら、なぜか「こっち見ないで!」って心の中で叫びました(汗)

だって、暗い空、立ち込めるモヤ、どう考えたって怖かったんです。

 

この時点で、窓の向こうに見える少女『マーニー』は幽霊か何かでは?と思ってしまいます。

 

しかし、この『湿っち屋敷』は物語で重要な役割を持っていますよね。

マーニーにとって『私の大好きな家』、後に重要な意味を持つ家、それが『湿っち屋敷』なんです。

 

マーニーと杏奈は本当に交流していたのか

少女の姿の『マーニー』と、12歳の『杏奈』は、実際に交流していたのでしょうか。

物語には過去の記憶と思われるシーンもあり、また杏奈自身もマーニーを『私が想像で作り出した』と言っている事から『現実ではない』という認識があるようです。

 

だとしたら、『杏奈』と呼びかけるマーニーは『杏奈の妄想』なのでしょうか?

 

杏奈が過去の誰かの記憶に入り込んでいるのか、もしくは忘れている自分の記憶に入り込んでいるのか、それともマーニーの強い思いが見せている幻なのか・・・

物語には『本当に交流している』と思われる部分も、『単なる幻想』とも思える部分も存在しており、これが観る側を混乱させます。

 


これは現実?夢?

 

こんな不思議な、謎めいた気分を味わうとは思ってもみませんでした。

しかし、現実にせよ現実でなかったにせよ、杏奈の記憶の中にマーニーが刻まれたことは事実であり、これが殻に閉じこもった杏奈を救ったのですから、杏奈自身も『不思議な事があるものだな』という感覚なのかもしれません。

 

時々マーニーを忘れそうになるのはなぜか

ふとマーニーを忘れそうになるシーンがあります。

これは何を意味するのでしょうか。

 

『現実』の杏奈と『幻』のマーニーだから?

本当は杏奈の記憶の奥底にあるはずの『マーニー』を忘れているから?

 

私はどちらかと言えば後者かな、と思っていたのですが、そうすると『マーニー』自身が、杏奈に自分の存在を思い出させるために会いにきているようにも思えてしまいます。

 

おじさんおばさんの家での生活が思い出せないのはなぜか

マーニーの『大岩さんちの生活ってどんななの?』という質問に対して、答えに悩むどころか『大岩さん・・・?』となっている杏奈。

おいおいおい。おじさんおばさんも忘れちゃうの?

観ている人も『なんで?』って思ったはずです。

 


大岩さんちの生活は杏奈にとって直近の記憶があるはずなのに、それがわからなくなるという事は、やはり杏奈は過去の世界や過去の記憶を行き来しているのでしょうか。

もしくは、マーニーとの交流が楽しすぎて、現実逃避してしまっているのでしょうか。

 

前述の、マーニーを忘れそうになる事も含め、記憶が無くなる、もしくは記憶を呼び起こせなくなるというのは、本来とても怖い事です。

杏奈は現実と幻の狭間にでも入ってしまったか、または杏奈でもマーニーでもない誰かの記憶の中での出来事なのか。

例えば、その『記憶』が久子のものであれば当然『大岩さん』が誰だかわからないわけですが、それだと『杏奈に対しての質問』をしている、マーニーの説明ができません。

 

やはり単なる現実逃避なのでしょうか。

 

2人だけの秘密とは?

『私たちの事は秘密よ、2人だけの秘密』とはどういう事なのでしょうか。

もちろん、言葉通りに捉えれば、『他の誰にも言わないで、内緒だよ』という事ですが、秘密なのは『2人で会っている事』ではなさそうですよね?

 

だって、マーニーと杏奈は、マーニーの家族がいるパーティーにも参加していますし、ばあやにも2人でいるところを見られています。

杏奈が描いたマーニーの絵だって、久子に見せています。

 

そうなると、『私たちの事』というのは、杏奈と過去のマーニーが交流している事に当たるのでしょうか。でも、これって結局、日記を読み進める都合で『湿っち屋敷』に越してきた彩香には話しているかもしれませんから、『2人で会っている事』でも『杏奈とマーニーの交流』の事でもなさそうです。

 

だとすると、女子にありがちな『2人だけの秘密』、アレでしょうか。

内容はなんにせよ、『秘密』を持っていると何だか急に仲良くなったような気がしますよね。

『秘密ごっこ』とも言うべきものなのかもしれません。

 

なぜマーニーの日記は途中から破かれていたのか

彩香が見つけた日記は、途中で破かれてしまっていました。

なぜでしょう。

 

それ以上の内容を見られたくなかったから?

書いたはいいけど恥ずかしくなってしまったから?

誰かに破かれてしまったから?

 

これには色々な説があるようす。

まず『マーニー説』、マーニーは和彦との事を書いた部分を見られたくなかったから破いた。家のどこかに捨てるとみられてしまうかもしれないから、破いたページは隠した。

そして『杏奈説』、和彦との仲に嫉妬した杏奈が破いた、そして破いた時の記憶は『忘れた』。たまにありますからね、マーニーを忘れたり、大岩さんを忘れたり。

 

杏奈説もアリかな、とは思うのですが、大切な友達の日記って破るものなのでしょうか・・・?

その行為によって大切な友達を失う可能性もあり、リスクが高いのでは?と思ってしまいます。

 

だとすると、マーニー説が有力なのでしょうか。

例えば、和彦となんらかの理由でケンカしたとして、『もう和彦なんてしらない!』ってなったとしたら、和彦の事を書いたページを破り捨てる可能性もありますよね。

でも、結局捨てられずにそっととっておく。女心ですかね・・・?

 

ツライ思い出の家が大好きなのはなぜか

最終的に重要な意味をもつ『湿っち屋敷』ですが、なぜ『私の大好きな家』なのでしょうか?

違和感があるのは私だけなのでしょうか・・・

 

マーニーは両親に放っておかれ、ばあやとねえやには虐められ、あまり楽しくない思い出があるはずのお屋敷です。窓から見える景色や鳥が好きって、それは家が好きとは関係ない気がしてしまいます。

 

この一帯の景色が好き、というのなら納得できるのですが、この家が好き・・・?

 

大好きな和彦との生活をしていた家よりも、子供の頃ツライ体験をした家が好き?

個人的には、そうはならないかなあ、と思ってしまった部分なので、別の解釈が必要なのかもしれませんね。

 

まとめ

『思い出のマーニー』ってどんな映画?って聞かれたら、『不思議な映画』って答えてしまうくらい、頭がついていかなくて難しい、意味がわからない部分も多い映画です(笑)

 

すんなり頭に入ってくるって人は、逆にスゴイと思います。

おっと・・・年代とかも関係あるんですかね(汗)

 

私のように一度で理解できなくても、何度も観てみたり、原作を読んでみたりという色々な楽しみ方ができる作品なのなのでしょう。

かっこいい言い方をするならば、『楽しみ方が広がる作品』というところかもしれませんね!

 

 

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