映画『タイタニック』に登場するキャルドン・ホックリーは、大金持ちの実業家。
ヒロイン・ローズの婚約者でありながら、ローズの心を掴みきれていない男性です。
そんなローズの心を捕らえたのは、貧しい3等船客のジャック。
当然、キャルドンは面白くありません。
彼のジャックに対する憎悪の気持ちは、怒り任せに発砲するシーンにもよく表れていますよね。
この記事では、
- キャルドン・ホックリーは『悪者』としての存在なのかどうか
- ローズがキャルドンと結婚したくない理由はどこにあるのか
この2点について解説していきます。
目次
【タイタニック】キャルドンは悪者?
『タイタニック』に登場するローズの婚約者、キャルドン・ホックリーはいわゆる『悪者』としてのキャラクターなのでしょうか。
それとも、ローズを愛しつつ、お金で人に言うことを聞かせる事しかできない『不器用』な男性なのでしょうか。
『悪者』にも『不器用』にも見えるキャル。
彼の性格やローズと婚約した理由から、彼の本当の姿が見えてきます。
キャルドンの性格
キャルドン・ホックリーの性格を一言で表すなら、『金にモノを言わせるタイプ』。
おまけに独占欲が強く、人を見下すような発言もしばしばみられます。
自分の考えがすべて正しいと思っているのでしょう。
ローズの絵画収集の趣味に対しても、『三流の画家』とバカにしたり『安くて助かる』と発言したり。
全くバカにしていますよね・・・
さらには、執事を使ってコッソリと大切な宝石をジャックのポケットに忍ばせ、大々的に犯人扱いするというような汚い手も使ってきます。
相手を陥れるためなら手段を選ばないタイプでもあるのです。
敵にしたくない人間ですよね。
彼の性格をまとめると、
- 金にモノを言わす
- 独占欲が強い
- 人を見下す
- 自分の考えが正しい
- 手段を選ばない
・・・並べてみると、性格悪いんです(汗)
ローズに対して見せた『愛情』が、少しでも本物である事を願うばかりです。
キャルドンがローズと婚約した理由
ローズは結婚を嫌がっているけれども、ローズの母親はノリノリ。
もちろんキャルドンもローズとの結婚を待ち望んでいるようです。
『お金が無い』と言っているローズの母親と、お金持ちで金にモノを言わせるタイプのキャル。
キャルはお金持ちなのに、お金に困っている家の娘と結婚するの?と思ってしまう方も多いのではないでしょうか。
お金が無い家の娘と結婚する=本当にローズを愛している・・・?
いやいや、そうとは限りません。
実はキャルがローズと結婚しようとしているのは、ローズの家であるブケイタ―家の家名を得るため。
お金は無いけれど、ローズは由緒正しき家柄の娘なのです。
お金に困っているローズの母親と家名が欲しいキャルの利害関係が一致したための、いわゆる政略結婚。
キャル自身はそれなりにローズを愛しているようにも見えますが、本心では社交界での地位向上のために『家名』のほうが大事なのかもしれません。
ローズの事を一人の女性ではなく、家名を得るためのモノとして見ているとも言えます。
ジャックに対して怒りの感情を見せたのも、愛する人を奪おうとする男への嫉妬というより、自分のお金で買ったモノを横取りされてたまるかという感覚に近かったのかもしれませんね。
【タイタニック】ローズが婚約者と結婚したくない理由は?
ローズは婚約者であるキャルドンとの結婚を快く思っていません。
どれだけ嫌がっているかと言うと・・・
豪華客船タイタニック号が『奴隷船』に思えるほど。
航行するタイタニック号から身を投げてしまおうとするほど。
ローズはなぜ大富豪の家の息子・キャルドンと結婚をしたくないのでしょうか。
キャルや母親の考え方を受け入れられないから
キャルドン・ホックリーは、家が大金持ちのお坊ちゃんです。
そのためか、何でもお金で解決できるという考えを持っています。
ローズを助けたジャックに対するお礼金、救命ボートに乗せてもらうための交渉金。
当然、ローズとの結婚も『お金』絡みで進められています。
なぜなら、ローズの家『ブケイタ―家』は名家でありながらお金が無く、ローズの母親ルースがキャルの財産を当てにしているから。
家名、お金、家柄、財産、いい人との結婚・・・
名誉やお金にこだわるキャルや母親に、ローズはウンザリしていたのです。
自由な生き方を求めていたから
ローズの求めるものは、社交界での地位でも名誉でもお金でもありません。
ローズが求めていたのは自由。
自由の国アメリカへ向かう船であるのに、ローズにとっては一切の自由が感じられないのは皮肉としか言いようがありません。
おまけに婚約者キャルの独占欲の強さはお墨付き。
ローズの行動は全て把握しておかないと気が済まない彼は、執事のスパイサー・ラブジョイにもローズの監視役を任せていましたね。
そんな窮屈な生活、ローズには耐えられなかったのです。
一生こんな生活が続くのかと、将来に絶望した彼女の気持ちもわからなくはありません。
そんな時に出会ったのが、自由に生きる青年ジャック。
彼の生き方は、ローズがこれまで見たことのない世界そのものでした。
窮屈だけとお金には苦労しないキャルドンとの生活か、それとも、日々の暮らしに余裕はないけれども自由なジャックとの生活か・・・
お嬢様であるローズがこれまで抱えてきた人生の『コレジャナイ感』。
その答えを、ジャックが持っていたのです。
【タイタニック】キャルドンのその後
キャルドン・ホックリーはタイタニックの事故後、父親の勧める貴族の娘と結婚して家庭を築き、彼の父の莫大な遺産を相続するも、1929年に起きた株の大暴落により破産。
自ら命を絶ちました。
お金がすべてだった彼は、お金を失った事で生きる希望も見失ってしまったのでしょう。
ローズは彼の死を『新聞で知った』という事から、タイタニック事故後のローズの人生には、一切キャルドンは関わっていないようです。
もしあの時キャルと結婚していたら・・・
ローズもまた、世界恐慌の波に飲まれてしまっていたかもしれません。
まとめ
映画『タイタニック』のキャルドン・ホックリーは、ローズの婚約者として登場しています。
彼の性格を挙げると、
- 金にモノを言わす
- 独占欲が強い
- 人を見下す
- 自分の考えが正しい
- 手段を選ばない
彼は『悪者』と思われても仕方のない性格の持ち主。
ローズがジャックに心惹かれてしまうのも、わかるような気がします(汗)
そもそもキャルがローズと婚約したのは、ブケイタ―家の家名が欲しかったから。
家名やハートオブオーシャンの事しか考えていない『悪者』にも、お金でしか物事を考えられない『不器用な男』にも見えるキャルドン。
家名など関係なく、一時でも本当にローズを愛していたと思いたいですね。
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