『ハウルの動く城』では、ソフィーの容姿が若い姿から老婆まで変化します。
コロコロと見た目が変わってしまうのは、荒れ地の魔女の呪いに加えて、ソフィーの感情が見た目に反映されてしまうから。
呪いが解ければ元の姿に戻る・・・はずなのに、最後のシーンでもやっぱりソフィーの髪の毛はおばあちゃんのような白髪です。
ハウルに言わせれば、そんなソフィーの髪色は『星の光の色』。
星の光の色ってどんな色なのかも気になりますよね。
この記事では、ソフィーの髪の色が元通りの色に戻らない理由、そしてハウルの言う『星の光の色』に染まった髪の毛が何なのかについての考察をしていきます。
目次
【ハウルの動く城】ソフィーの髪の色が戻らないのはなぜ?
ラストシーン、ハッピーエンドとは思いつつも、ソフィーの髪の毛の色が元の銅色ではない事に疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
感情に左右されながらも、若返った時の髪の色は茶色っぽい色だったはずなのに・・・
なぜ物語が大団円を迎えても、ソフィーの髪の色はまだ白髪のままだったのでしょうか。
呪いが解けていない?
ソフィーの髪の毛の色が最後まで戻らない。
これは、『呪いが解けていない』事を意味するものなのでしょうか?
確かに、映画の物語内では、荒れ地の魔女の呪いが解けたシーンが登場していません。
呪いが解けている事が証明できるようなシーンもありません。
そう言えば、ソフィーのポケットに知らぬ間に荒れ地の魔女からの手紙が仕込まれていたシーンでは、ハウルは『焼け焦げは消えても呪いは残る』という発言をしています。
荒れ地の魔女は、嘘か本当か、呪いを解くことができない魔女。
その魔力が失われようとも、『呪い』だけは残ってしまっている可能性もゼロではありません。
呪いがソフィーの中に残っている事を知らしめるための白髪かもしれませんね。
コンプレックスが消えたわけではないから
ソフィーは母親や妹と違って、地味という言葉がピッタリと当てはまるような女性でした。
華やかな洋服や帽子なんて無縁。
美しい飾りを施した帽子を作っていても、自分のお気に入りの帽子は飾りっ気のないものなのです。
なぜそこまで地味に生きるのか・・・
それは、ソフィーがコンプレックスのカタマリだから。
母や妹が華やかすぎるために、余計に自分の容姿が美しくないと思えてしまうのでしょう。
美しい事なんてなかった自分にピッタリだった老婆の姿は、そんなソフィーの容姿コンプレックスから解き放ってくれた姿でもありました。
おばあちゃんなんだから、白髪頭でシワシワで当たり前。
おばあちゃんになった事で、ソフィーは見た目を気にする事なく自由に生きられるようになったのです。
・・・では、ハウルに愛され、新たな家族が出来た事でソフィーのコンプレックスは消えたのでしょうか?
もちろん、ある程度の自信はついたかもしれません。
でも、人ってそうそう変われるものでもないのです。
もうコンプレックスなんて全然ない!という気持ちには至っていないために、ソフィーの髪色は元の色には戻らなかったとも考えられるのです。
つまり、自分らしく生きられるようになったけれども、ネガティブな感情もまだちょっとだけあります、という意味の白髪なのかもしれませんね。
生まれ変わったから
おばあちゃんの姿のソフィーは、地味な帽子屋さんだったとは思えないほどパワフルで言いたい放題。
誰に気遣いするでもなく、やりたい事をやりたいように生きています。
そんな事ができるのも、見た目がおばあちゃんだから。
美しさをとやかく言われるような事が無いから。
ソフィーは、おばあちゃんの姿になった時が無敵状態なのです。
そんなソフィーがハウルを助けるため、カルシファーやマルクルら『家族』を守るために奮闘する間、髪色以外は元の若い姿に戻っています。
長女だからという理由で帽子屋を継いで働いていた時には、本当の気持ちを心の奥底に閉じ込めていたソフィー。
そのソフィーが、自分の意志でハウルや家族を守るために何をすべきか考えて行動しているのです。
戦火が迫る中、ソフィーには見た目の美しさを気にするような余裕はありません。
しかし、その姿こそが本来の彼女。
誰かのために感情を押し殺すでもなく、美しくない自分を気にするわけでもない。
ただひたすら自分の愛するハウルや家族のために奮闘する、もう昔のソフィーではないのです。
「あなたたちにできないなら、私がやってあげる!」 #金ロー #ハウルの動く城 #ソフィ pic.twitter.com/4lb3or2e9B
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昔のソフィーとは違う、新しいソフィー。
おばあちゃんだった頃の白髪を風になびかせたソフィーは、新しく生まれ変わった彼女だと言っても過言ではないのです。
【ハウルの動く城】ソフィーの髪が星の色に染まった理由
空飛ぶ城になったハウルの動く城。よく見ると、かまどにはカルシファー、帽子にひざ掛けの荒地の魔女、小さな中庭を走り回るマルクルとヒンが見えます。そして塔のテラスには幸せそうなソフィーとハウルが…。感動ーーー😭 #空飛ぶ城になったハウルの動く城 pic.twitter.com/9DCLAkxuOD
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ソフィーの髪色は最終的に白い色のまま、姿だけは元通りになりました。
ハウルに言わせると、ソフィーの髪の色は星の光の色。
ハウルは星の光だと言いますが、いつ『星の光の色』になったのかわかりませんよね。
そもそも星の光がどのようなものなのかもハッキリしません。
髪の毛が『星の光の色』に染まったというソフィーの髪色について、物語の内容から考えられる可能性は2つ。
- 単なるハウルの気遣い
- カルシファーと契約が結ばれたから
順に説明していきますね。
ハウルの気遣い
呪いは解けているのかもしれないけれど、おばあちゃんの姿になっていた時と同じ色の髪の色のままの若いソフィー。
ハウルだって、ソフィーが自分の容姿にコンプレックスを抱いていた事を知っています。
もし髪の毛だけおばあちゃんのままだったら・・・?
ソフィーの事です。
髪の毛が白くなってる!どうしよう!ってネガティブな方向に思考を巡らす事になるかもしれません。
そんなソフィーの性格をわかっているからこそ、ハウルは先回りして『ソフィーの髪の毛、星の光に染まってる!』というポジティブ発言をしたのではないでしょうか。
厳密な事を言えば、ハウルにもソフィーにも『星の光の色』がどんな色かなんてわからないかもしれません。
しかし、空を美しく彩る『星の光』に例えられたら、ソフィーは嬉しく思わないはずがないのです。
カルシファーとの契約成立
ソフィーのおさげが切り落とされるこのシーン。宮崎駿監督による絵コンテには「ヒロインようやく登場!!」の書き込みがあります。この瞬間、ソフィーは見た目だけではなく気持ちの面でも本当のヒロインになっていくんですね😆❤️なるほどー #なるほどと思った人RT #本当のヒロイン #ソフィーのおさげ pic.twitter.com/75W9E0HWPr
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ハウルはかなり強力な魔力をもった魔法使いです。
荒れ地の魔女がソフィーに呪いをかけた事だって、コッソリ仕込んだ手紙だってお見通し。
そのハウルが、ソフィーの髪色が『星の光の色』と言っているのです。
普通の人から見たらただの白髪にしか見えないのかもしれませんが、カルシファーに髪の毛を与えた事によって『契約』が成立し、ソフィーにも不思議な力が宿ったのかもしれません。
ただし目や心臓ほど大切な部位ではなかったために、強力な悪魔の力を得るには至らなかったと考えられます。
元々流れ星だったカルシファーです。
ハウルの言う『星の光』が、カルシファーと無関係だとは言い切れませんよね。
カルシファーの中にソフィーの髪の毛が取り込まれているために、ソフィーは若さを取り戻したものの自分の髪の毛だけは取り戻せなかったと考えられます。
もちろん、カルシファーに悪意は無い、はず・・・
城を動かしたいというソフィーの要望に応えるために、ソフィーの一部を貰っただけなのですから。
そしてソフィーにとって、カルシファーに与えた髪の毛を返してもらおうが返してもらわなかろうがどうでもいい事なのでしょう。
もう簡単に見た目の美しさに左右されてしまうほど、ソフィーは弱くはないのです。
まとめ
『ハウルの動く城』のヒロイン・ソフィーは、容姿にコンプレックスを抱え、気持ち次第で見た目がコロコロと変わる不思議な女性です。
元々は荒れ地の魔女にかけられた呪いによって若さを奪われてしまった恐ろしい出来事がキッカケ。
呪いに加えて、ネガティブな気持ちの時には老婆の姿になり、ハウルの事を想う時には若返ったりしてしまう忙しいソフィー。
そんな彼女ですが、ラストシーンまで髪の毛の色だけは元に戻っていません。
髪色が戻らなかった理由として考えられるのは、
- 呪いが解けていないから
- コンプレックスが消えたわけではないから
- 新しいソフィーになったから
個人的には、ソフィーが昔とは違う自分として生きていけるようになった事の象徴としての白髪と思いたいですね!
また、ハウルの言うソフィーの髪の毛の『星の光の色』とは何のことなのか。
これについては、
- 白髪に対するハウルの気遣い発言
- 髪の毛を使ってカルシファーと契約したから
この2つの理由が考えられます。
『星の光』って響きが素敵ですよね!
星の光色の髪のソフィー、これだけでハウルとの素敵な未来が想像できそうです。
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