『となりのトトロ』では、冒頭からお母さんの姿は無く、引っ越し完了後にお母さんは何らかの理由で入院している事が語られます。
お母さんが不在の間に草壁家はとんがり屋根の洋風と和風がミックスされたような家に引っ越し、サツキはお母さんの代わりとして家事やメイの世話を頑張っていますよね。
そんなサツキやメイのお母さんの病気は一体どのようなものなのでしょうか。
入院先の『七国山病院』のモデルや、草壁家の引っ越しの理由にも迫ります。
目次
トトロのお母さんの病気と入院の理由
『となりのトトロ』作品中では、ハッキリと病名が語られる事はありません。
サツキには『風邪のようなもの』と説明されているお母さんの病気、入院しなければならないような病気は一体どのようなものなのでしょうか。
お母さんの病気は結核説が濃厚
サツキとメイのお母さんの病気は、『結核』説が濃厚です。
同じくスタジオジブリの宮崎駿監督作品の『風立ちぬ』で菜穂子が命を落とした、あの病気ですね。
一時退院が見送られたお母さんの事を心配して号泣するサツキ。
『お母さん、死んじゃうかもしれない。』
続き→おかあさんに対するサツキの不安な気持ちを背景の影によって強調したいという宮崎駿監督のリクエストを受けて、光が当たっている部分は黄色を濃いめに塗って、影を際立たせています。昼間の時間とは、まったく違って見えますね。 #金ロー #となりのトトロ #サツキ #宮崎駿 #ジブリ pic.twitter.com/Hr8IkVUSVc
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子供のサツキにでも理解できるくらい深刻な病気、つまり結核である可能性が高いというワケです。
ただ、日が経つにつれて病気が悪化していくように見えた菜穂子と違い、サツキとメイのお母さんには咳が酷く出たり、吐血するようなシーンは見られず、最終的には退院して家族そろって新しい家で生活できるようになります。
この辺りは、小さな子供も見るアニメーションとしての配慮なのかもしれません。
お母さんは結核で長期入院をしている
今でこそ結核は適切な治療で治るものという認識ですが、昭和20年代頃までは治療法が無く、治らない『死の病』として恐れられた病気でした。
その後は薬やワクチン、生活水準の向上によって激減しましたが、それでも『となりのトトロ』の昭和30年代頃の結核は『長い入院治療を必要とする特別な病気』であり、だからこそサツキとメイのお母さんも長い入院生活をしているのでしょう。
ちなみに、お母さん『妊娠説』もありますが、私はこれは違うと思っています。
なぜ妊娠説があるのかというと、エンディング中に登場するメイより小さな赤ちゃん、その赤ちゃんとメイが手を繋いだりしてメイが面倒を見ている様子から。
エンディングでの季節は、お母さんの退院後すぐの秋頃でしょうか。
タクシーで帰宅したお母さんは、どう見ても赤ちゃんを連れていませんし、第一赤ちゃんが生まれるとなればサツキもメイも、お父さんやかんたのおばあちゃんだって、赤ちゃんの話題で持ちきりになるはずです。
そういう理由から、やはりお母さんの入院の理由は、妊娠説ではなく結核説が濃厚でしょう。
トトロに登場する七国山病院のモデル
サツキとメイのお母さんは、どうやら『七国山病院』という名前の病院に入院しているようです。
狭山丘陵のあたり、埼玉県所沢市周辺を舞台としている『となりのトトロ』ですが、『七国山病院』のモデルとなった病院はあるのでしょうか。
七国山という地名は存在しない
残念ながら、『七国山病院』という病院は実在しません。
さらに、『七国山』という地名も架空のものです。
では、なぜ『七国山病院』なのか・・
実は『七国山』は存在していませんが、地名としての『八国山』は存在します。
八国山を、『七国山』と言い換えて病院の名前にしたようです。
それを暗示するように、引っ越し時にすれ違ったバスの行先は『八国山』と書かれ、その後は同じルートを運行しているはずのバスの行先が『七国山』になっています。
続き→なお、東京と埼玉の間にある狭山丘陵には宮崎駿監督が唯一トトロの名前の使用を許諾した団体が管理する「トトロの森」と呼ばれる里山があります。2018年3月の時点で48か所のトトロの森が誕生しているのだとか。 #金ロー #となりのトトロ #トトロの森 #里山 #ジブリ #宮崎駿 pic.twitter.com/wos5ZqCDGV
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ちなみにサツキたちの新しい引っ越し先である『松郷』は、埼玉県所沢市に実在していますよ。
七国山病院のモデルは東村山の新山手病院
サツキとメイのお母さんが入院している『七国山病院』のモデルは、東京都東村山市にある『新山手病院』なのだとか。
新山手病院のホームページにも、バッチリ『となりのトトロに登場する病院のモデルにもなった・・・』という記載がありました。
八国山緑地が背に広がる場所にある新山手病院。
自然豊かな場所が、肺の病気を患うお母さんの治療に適した環境だったのでしょう。
草壁家が引っ越してきたワケ
お母さんが入院しているのに、わざわざ引っ越すってどういう事?と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
どうせ引っ越すなら退院後に・・・と考えてしまいますが、草壁家の引っ越しにはちゃんとした理由があったのです。
結核を患っていると思われるサツキとメイのお母さんは、『七国山病院』に入院しています。
その『七国山病院』から遠くなく、しかも空気が良いところ。
退院したお母さんを迎え入れるため、入院している間に引っ越しをしたのです。
今週は #夏はジブリ 第2弾
🌳🌲🌳「#となりのトトロ」🌳🌲🌳美しい自然と懐かしい風景…🌄
元気な姉妹のサツキとメイ…👭
不思議でかわいい生き物たち…👀何度見ても楽しめる真夏の夜にぴったりの作品です‼️#宮崎駿監督 #トトロ #ネコバス #マックロクロスケ #今週金曜よる9時 #スタジオジブリ pic.twitter.com/m2BifSEuSu
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でもこの家、実は『裏設定』があるのだとか。
『裏設定』については、『ジブリの教科書3』に詳しく書かれています。
大まかに言えば、あの家は元々結核の患者を療養させるための別荘だったけれど、その患者さんが亡くなってしまって家自体が用無しになってしまった、というもの。
サツキとメイが住むことになるこの家。日本家屋に洋間がつながったちょっと不思議な構造ですよね。実は、昔はよくあった形なんです。外観のアイディアは宮崎駿監督が出したもので、☞続く #トトロ #となりのトトロ pic.twitter.com/WZMhyIqE7h
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だから空家になっており、そこへ草壁家が引っ越してきた。
妙に日当たりが良かったりするのも、この『結核療養のための』という裏設定のためなのだそうです。
この裏設定からも、お母さんが患っているのは『結核』である可能性が高いですね。
まとめ
『となりのトトロ』に登場するサツキとメイのお母さん。
ずっと入院しているというお母さんですが、その病気は『結核』説が濃厚です。
その理由は、サツキが不安になって泣いてしまうほどの病気である事、そして、草壁家が引っ越してきた家には『裏設定』があって、元々その家は結核療養のために作られた別荘であった事。
だからこそ退院したお母さんを療養させるために、お母さんが入院している間にその家に引っ越しをしたのです。
エンディングでは退院したお母さんの姿がありました。
お母さんが戻ってきたことによって、サツキはきっと肩の荷が下りた事でしょう。
今後は家事に追われる事もなく、目いっぱい友達と遊ぶ事ができそうですね!
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