『となりのトトロ』のトトロって、結局何者なの?って考えた事がある方、多いのではないでしょうか。
気になりますよね。
大人には見えていなくて、メイでもサツキでも会いたいから会えるような存在でもない。
そんなトトロの正体に迫ります。
目次
トトロの正体はおばけ?
木の『うろ』の奥の不思議な場所で出会う大きな生き物『トトロ』。
青くて中くらいの『トトロ』や、白い『トトロ』もいますね。
小さいトトロなんかは、見えたと思ったら消えてしまったり。
「となりのトトロ」で宮崎駿監督が最もこだわったことのひとつが、子どもが走る時の動きでした。子どもは同じリズムで走り続けることはないので、自然に見せるのがとても難しいのです。一方、トトロは誰も見たことがないいきものなので、色々な動きで表現されています。☞続く #となりのトトロ pic.twitter.com/WOAsQZ4uFB
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そんなトトロは、やはり『おばけ』なのでしょうか。
サツキはお母さんへの手紙の中に『おばけ』のトトロに会ったと書いていますし、エンディングテーマ『となりのトトロ』でも『おばけ』と言っていますね。
トトロの名前の由来
『トトロ』の名付け親はメイでした。
その名前になったキッカケはあくび。
大きなあくびをした時に発した声が『トトロ』と聞こえたから、メイが『(名前は)トトロっていうのね』と、いわゆる勘違いをしたというのが由来です。
トトロ「ドゥオ、ドゥオ、ヴォロロロロ……!!」
メイちゃんに「あなたはだぁれ?」と聞かれて答えたトトロのこの台詞は、実は「ネムイヨーッ」と言っていたのだとか!ぐっすり眠っていたところを、メイに起こされてしまったのでしょうね。 #kinro #となりのトトロ #メイ #トトロ #ネムイヨー pic.twitter.com/ajcbf3qXcS— アンク@金曜ロードSHOW!公式 (@kinro_ntv) August 17, 2018
それよりも、そんな超ビッグサイズのモフモフに出会っても怖がらないメイがスゴイ!
トトロは何者?
メイにとっては、トトロが何者かなんてどうでもいい事です。
大きくてモフモフしたものが『トトロ』と名乗った、それだけで充分なんですよね。
メイにとってはどうでもいい事でも、我々はトトロの正体が気になります。
トトロって結局何者なの?(笑)
作品中ではサツキが『おばけ』と言っていますが、実際どうなのか・・・
『ジブリの教科書』によると、サツキやエンディングテーマの通り宮崎駿監督のイメージはやはり『おばけ』のようです。
それでも作品中でハッキリとトトロは○○です、と言わない事で、視聴する側が自由に考えを巡らせられるようになっているのでしょう。
サツキもメイも、何者かわからないから『おばけ』だと考えている。
でも神様だと考える人もいるし、精霊と考える人もいる。
☞続き 大人も子供も、誰もが楽しめる「となりのトトロ」はまさに珠玉のの名作と呼ぶにふさわしい大傑作ファンタジーですね! #トトロ #となりのトトロ #宮崎駿 #ジブリ #kinro pic.twitter.com/sfoXuY1ZIp
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声を発する事はあっても言葉を喋らないトトロ。
グーグー寝ていたり、サツキに貰った傘で『雨粒遊び』で楽しんだり、コマで空を飛んだり、オカリナを吹いてみたり。
前に出すぎる事もないし、単に自分が楽しい事をしているだけのように見えるトトロです。
おばけでも精霊でも何でも、とにかく『世の中にそういうものがいる、たぶん。』でいいのかもしれません。
トトロの都市伝説・死神説とは
ところでネット上で話題になった『トトロの都市伝説』や『トトロ死神説』って、一体何だったのでしょうか。
実はこれ、トトロには『裏設定』が存在する、というウワサが元になっているものだったようです。
その内容をザックリ言うと、トトロは死神で、メイは行方不明になり実は死んでしまっていた。
同じく死神トトロに出会ったサツキも、ネコバスによってあの世へ連れて行かれる事になった。
その証拠に、物語の終盤では影が無くなっている・・・
なかなか怖い『裏設定』ではありますが、2007年5月の『ジブリ日誌』の中で、この都市伝説やトトロ死神説を否定しています。
考察:トトロはなぜサツキやメイには見えたのか
トトロとメイが出会った事によって、サツキもその存在を知る事になります。
もし本当にトトロが死神だったら、完全に『巻き込まれた』パターンです(笑)
雨が降って来た夜、バス停までお父さんを迎えに行ったサツキの前に現れたのは、メイの言っていた『トトロ』。
雨に濡れるトトロにお父さんの傘を貸してあげたところ、その傘を打つ雨音がとっても面白かったようですね。
ルンルン顔のトトロが見られるシーンでもあります。
宮崎駿監督が最初に思いついたのは「バス停でバスを待っていたらオバケがやってきた」という光景。当初は主人公の女の子は1人だけの設定でした。その後、同時上映になることが決定した「火垂るの墓」の上映時間が予定より長くなっていることを知った宮崎監督が、☞続く #となりのトトロ #トトロ pic.twitter.com/iu7fPZc9jH
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トトロにすでに出会っていたメイ、トトロに会いたがっていたサツキ。
そもそもトトロはどうしてメイやサツキには見えたのでしょうか。
どうしてサツキと同級生の『みっちゃん』や『かんた』にはトトロが見えないのでしょうか。
メイにとってのトトロの存在
メイにとってトトロは、『大切な友達』のような存在。
お父さんが仕事の時には一人で遊んでいるメイ。
お姉ちゃんのサツキは学校に行っているし、引っ越してきたばかりのメイの周りには同じ年頃の友達の姿はありません。
メイだって友達と遊びたいに違いありません。
そんなメイにとって、ドングリをキッカケとして偶然出会った『友達』がトトロなのでしょう。
小さくてまだ純粋な心を持つ子供のメイは、『会いたい』と願わなくてもトトロを見る事ができました。
サツキにとってのトトロの存在
サツキは入院しているお母さんに代わって、家の事や妹メイの面倒を見ている頑張り屋さんです。
小学生でありながらそんな生活を嫌がる事もなく、どちらかと言えば心配になるくらいの責任感を持っています。
妹のメイが出会ったというトトロにどうしても会いたいサツキ、雨の降る夜、お父さんの帰りを待つバス停でついにサツキの願いは叶いました。
大人びたサツキにとって、本来トトロと出会う事は困難だったのかもしれません。
同級生の『みっちゃん』や『かんた』とはトトロを見たという子供っぽい話をしている様子はありませんし、同じクラスの子はメイが描いた『トトロ』の絵にピンときていません。
大人びた一面を持つサツキではありますが、お母さんの具合が悪くて一時退院ができなくなったり、そんな話の後に妹のメイがいなくなってしまったり・・・
本当はまだ充分『子供』のサツキにとっては、胸が張り裂けてしまうような出来事が続きました。
続き→おかあさんに対するサツキの不安な気持ちを背景の影によって強調したいという宮崎駿監督のリクエストを受けて、光が当たっている部分は黄色を濃いめに塗って、影を際立たせています。昼間の時間とは、まったく違って見えますね。 #金ロー #となりのトトロ #サツキ #宮崎駿 #ジブリ pic.twitter.com/Hr8IkVUSVc
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お母さんもお父さんもいない時に妹が行方不明になってしまった。
限界に近い気持ちのサツキが頼ったのは、トトロでした。
サツキはトトロに、今まで誰にも見せられなかった気持ちを、本当のサツキを見せました。
泣きながらメイを心配するサツキですが、トトロはそんなサツキを見ているだけ。
でも、それでもいいんです。
秘めていた、我慢していた気持ちを表現した事で、サツキの心はすでに救われていたのでしょう。
メイが行方不明の状態であるにも関わらず、沈み込んだ表情は消えてしまいました。
心が軽くなっているサツキがネコバスに乗り込んだ時の様子は、これから起こる事にワクワクしているように見えましたよね。
サツキやメイにはトトロが見えた理由
メイがいなくなってパニックになっているサツキをネコバスで助けてくれたトトロ。
サツキとメイの姉妹とトトロの間には友情でも芽生えたのか、それとも傘をくれたサツキに感謝しているのか・・・
姉妹とトトロとの関係が気になるところではありますが、両者の間にはこれと言った関係性はナシ。
その昔、自然と共存していた頃の日本では、日常生活の中に『見えないけれど、確かにいるもの』の存在がありました。
そういうものを敏感に感じ取ったメイと、トトロを見たと話した妹の事を純粋に信じたサツキ。
『やーい、お前の家お化け屋敷!』と囃し立てる『かんた』には、そういう存在を純粋に信じる心が少なかったのかもしれませんね。
いや、ひょっとしたら『会いたくない』と考えていたのかもしれません。
お父さんは『お化け屋敷に住むのが夢だった』と語りますが、もう大人になっているお父さん、心の片隅では『おばけ』なんて本当はいないんだよ、という気持ちもあるでしょう。
怖くないよ
会いたい!
不思議なものに興味を持って、それを純粋に信じられたメイとサツキだからこそ、トトロに出会う事が出来たのかもしれません。
ちなみに、宮崎駿監督によるとトトロはいなくなったメイを探すサツキに同情はしていないそうです。
あくまでも、トトロにとって興味があるものかどうか。
楽しい音がするもの(傘)をくれたから、とりあえず木の実を渡した。
サツキがメイを探している様子が面白かった、だからメイの場所まで連れて行ってくれるネコバスを呼んだ。
続き→トトロが一緒にネコバスに乗っていかなくても、そこにトトロがいるだけでサツキとメイは安心できるのです。むしろトトロが一緒に行ったらサツキは人間界に戻れなくなってしまうのではないかと監督は考えたということです。 #kinro #となりのトトロ #トトロ #ネコバス #サツキ #メイ #宮崎駿 pic.twitter.com/1Hyv8T6V77
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そこにあるのはサツキやメイに親切にしてあげようという気持ちではなく、トトロ自身が楽しいのかどうかだけを判断基準にしているようなそっけない様子も伺えます。
勝手に『心の拠り所』にして、友達とか神様とか思っているのは人間だけ、という事かもしれません。
だけどこのトトロが『存在する』という事だけで、サツキは救われたんですよね。
まとめ
トトロの正体、かなり気になりますよね。
『裏設定』や『都市伝説』なんて言われると余計に!
サツキが感じたように、宮崎駿監督自身もトトロの存在を『おばけ』のように考えて物語が作られたようです。
かつての日本のように自然と人間が共存していた世界で、子供には感じられる『大人には見えないもの』の存在、そういうものが『トトロ』なのかもしれません。
気ままなトトロは、眠い時には寝て、自分の楽しい事をして過ごしています。
メイやサツキの『強い味方』というワケでもなく、存在はしていたけれど、この先会いたくても会えないかもしれない。
夢かもしれないし、夢じゃないかもしれない。
こんな不思議で素敵な存在に出会う事が出来た2人が羨ましい!
ちなみに、有名なトトロ死神説はジブリ側には否定されているようです。
このような見方もあるのか!ってすごく新鮮ではありましたが、小さな子にはショックすぎる内容でしょうから、敢えてハッキリと否定したのかもしれませんね。







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