【ハウルの動く城】私グズだからの意味は?涙が止まらないのはなぜ?

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『ハウルの動く城』終盤、ソフィーの印象的でありつつ意味がわかりにくいセリフがありますよね。

 

それが、過去の世界から戻る際の『ごめんね、私グズだから。ハウルはずっと待っててくれたのに』というもの。

どうして急にグズだなんて言い出したのか、気になった方も多いのではないでしょうか。

 

この記事では『私グズだから』の意味、その際にソフィーの涙が止まらなかった理由について、考察を含めた解説しています。

 

【ハウルの動く城】私グズだからのセリフの意味は?

『私グズだから』

なんだかドキッとするようなセリフです。

 

ソフィーは何らかの事について、自分のせいで遅くなってしまった事を言っているようですが・・・

これって、いつものマイナス思考、自己暗示なのでしょうか?

 

ソフィーらしい言い方

 

ソフィーはこれまで、容姿にコンプレックスを感じた時や自信が無い時、彼女の見た目を老婆の姿へと変えてきました。

心の内が外見に表れてしまうソフィーは、この現象を逆手にとり『おばあちゃん』という仮面を被って自己防衛、自己主張してきたのです。

 

しかし『私グズだから』は、マイナスのイメージの言葉ではありますが、ソフィーのコンプレックスを表しているものではありません。

美しくない、地味な格好のほうが似合う・・・とういうマイナス思考とは別モノです。

 

 

この時ソフィーの言った『グズ』とは、ハウルをずっと待たせてしまっていた事にようやく気づいたからこそ出た言葉。

 

多くの人は『ごめんね、遅くなっちゃって』と言いそうな場面ですが、これまでの人生で自分を過小評価し続けてきたソフィーらしい言い方が『ごめんね、私グズだから』だったと考えられます。

 

待たせた事への謝罪と反省

ハウルが人間に戻れなくなる寸前で、ようやくハウルとカルシファーの契約解除の方法を見つけたソフィー。

『ごめんね、私グズだから。ハウルはずっと待っててくれたのに』

 

猛烈に反省しているようです。

おばあちゃんの姿になって、ハウルの城に入り込んで、掃除掃除そうじ・・・

おそらくハウルは、ソフィーが契約の秘密を見破る唯一の人だという事を最初から知ってたのでしょう。

でもカルシファーと同じように、契約についての情報をソフィーに与える事は一切できなかったと考えられます。

 

つまり、ハウルはただひたすらソフィーが契約の秘密に辿り着くのを待っていたのです。

おばあちゃんになったり若い姿に戻ったり、忙しいソフィーをそっと見守りながら。

 

一方のソフィーはと言えば、ハウルとカルシファーの契約の秘密がどこかに隠されているかもしれないと思いつつも、特に積極的に動いていたわけではありません。

 

『私グズだから』の言葉は、どうしてもっと早く契約の秘密に辿り着こうとしなかったのか、ハウルとカルシファーに申し訳なかった、という気持ちから出たものと言えます。

 

【ハウルの動く城】ソフィーの涙が止まらないのはなぜ?

【ハウルの動く城】のシーン・涙を流すソフィー

 

過去から現代の世界へ戻る際、ソフィーの涙は止まらなくなってしまいます。

もちろん、これは恐ろしい呪いによるものなどではありません。

それだけ、ソフィーの感情が高ぶっている事を表しています。

 

涙が止まらない理由として考えられるのは、

  • ハウルが自己犠牲を厭わないから
  • すべて繋がっていた事を知ったから

この2つについて、順に説明していきますね。

 

ハウルが自己犠牲を厭わないから

【ハウルの動く城】のシーン・ハウルとカルシファー

 

『過去の世界』で、ソフィーは空から降ってくる流れ星の最期を目撃します。

 

燃えながら落ちて、消えて・・・

水の中に沈んだままの流れ星も見えます。

流れ星は地上に落ちたら死んでしまう運命なのでしょう。

 

子供の頃のハウルも、落ちて死んでいく流れ星に心を痛めたのかもしれませんね。

流れ星の1つを受け止めて、死なないように自分の心臓を与えた事が、ハウルとカルシファーの『契約』と呼ばれるもの。

ハウルはカルシファーに心臓を与え、代わりにカルシファーはハウルに魔力を提供する事になります。

 

そんな2人のやり取りを見てしまったソフィーは、『契約』がカルシファーを暖炉に縛り付けておくためのものではなかった事を知るのです。

 

流れ星を助けるために差し出したハウルの心臓。

ソフィーは、これまでハウルと過ごしてきた日々の中で、彼の良いところも悪いところもたくさん見てきました。

 

マダム・サリマンは『魔力を自分のためだけに使うようになった』と言いますが、やっぱりハウルは自分勝手なダメ男ではない、自分の命を分け与えても流れ星を救おうとするなんて、誰にだってできる事ではありません。

カルシファーに心臓を与えて、やがて人間の姿に戻れなくなる時が来たとしても、ソフィーに『さっさと契約の秘密を見破ってくれ!』と強要するような人間ではなかったのです。

契約の秘密云々よりも、自己肯定感の低いソフィーの気持ちが変わるように後押しを優先してくれていたのでしょうね。

 

ソフィーは『過去の世界』で改めて、ハウルの自己犠牲を厭わない、誰かを守ろうとする気持ちの強さを知ったのでしょう。

ハウルのこれまでの言動や思い出が頭を駆け巡り、涙が止まらなくなってしまったと考えられます。

 

すべて繋がっていた事を知ったから


『過去の世界』で、ソフィーはハウルとカルシファーの契約の秘密を知ります。

そして思わず、『私はソフィー、未来で待ってて!』という言葉をかけますよね。

その叫びに、過去の世界のハウルは反応しています。

 

この時、ソフィーは『すべてが繋がっている』事を理解したのではないでしょうか。

 

ハウルが最初から全部知っていた事。

ハウルは未来で待っていてくれる『ソフィー』を探していた事。

ソフィーだけが契約の秘密を見破れる事。

ソフィーを信じてずっと待っていてくれた事。

 

全部知ってて、ハウルは待っていてくれた。

急かすでもなく、怒るでもなく。

ハウルの優しさを知って、ソフィーの涙は止まらなくなってしまったのかもしれませんよね・・・

 

変な自己暗示にかかって、外見ばっかり気にしていたのはソフィーのほう。

立ち止まって進もうとしなかったのは自分自身。

 

『歩くよ、歩くから』は、ハウルに引っ張られるだけではなく、ソフィー自身の足で歩き出した事を意味するのでしょう。

自分の力で前に進み始めたソフィーは、ようやく『未来で待ってて』の約束を果たすため、ハウルとカルシファーの元へ向かうのです。

 

まとめ

『ハウルの動く城』での印象的でありつつ、どのような意味があるのかわからないセリフの1つが『ごめんね、私グズだから。ハウルはずっと待っててくれたのに』ではないでしょうか。

 

何で『グズ』なのか、『待っててくれた』とはどういう事なのか。

ソフィーの涙にもらい泣きしそうな場面ではありますが、よく考えたらわかりにくいセリフでもありますよね。

 

物語の内容から考察すると・・・

『私グズだから』の意味は、なかなかハウルとカルシファーの契約の秘密にたどり着けなかった自分に対する反省、そしてハウルとカルシファーへの謝罪が込められていると考えられます。

謝罪と反省の気持ちを、自己肯定感が低すぎるという性格の持ち主、ソフィーが表現すると『私グズだから』になるのではないでしょうか。

 

また、ソフィーの涙が止まらなくなってしまうシーン。

涙が止まらない理由は、ハウルが自分以外を優先しがちな事と、ソフィーを信じてずっと待っていた事を知ったからでしょう。

 

 

ハウルの愛、そしてハウルへの愛によって姿を偽ることなく、ようやく自分の足で歩く事になるソフィー。

『自分らしさ』を受け入れたソフィーの、ラストシーンの華やかな黄色のワンピース姿が新鮮ですね。

 

 

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