コクリコ坂からの旗の意味は?海が揚げる理由と俊が応えていたのはなぜかを考察

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ノスタルジックな船舶のイメージ画像 コクリコ坂から

ジブリアニメ『コクリコ坂から』では、冒頭から主人公の女の子『松崎海(まつざきうみ)』が、朝から国旗とは違う模様のついた旗2枚を揚げるシーンが登場しますよね。

この旗、実は『国際信号旗(こくさいしんごうき)』と呼ばれるものであり、模様によって意味の異なる旗の掲揚によって通信を行っているものです。

 

では、海が揚げていた旗には何と書かれていたのでしょうか?

その旗の持つ意味と、海が毎朝かかさず信号旗を揚げる理由、海の旗に応えるように俊が信号旗を揚げていたのはなぜなのかを書いていきます。

 

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コクリコ坂からの旗の意味

主人公の海が掲揚している旗は『国際信号旗』と呼ばれているもの。

独特な模様の旗1つ1つに意味や対応するアルファベット・数字があって、海上での通信に使われるものです。

 

コクリコ坂からの海の揚げる信号旗にはどんな意味がある?

『コクリコ坂から』の主人公の女の子、海が早朝から掲げている国際信号旗。

2枚のうち、1枚目が赤と白の市松模様みたいな旗、2枚目が青い枠の中身が四角い日の丸弁当みたいになっている旗です。

 

 

1枚目の市松模様風の旗には『U』、『貴船の進路に危険あり』の意味があります。

2枚目の青枠に四角い日の丸弁当模様の旗には『W』、『医療の助力を求む』の意味があります。

 

 

あなたの船の進路に危険があるから医療の助力を求む・・・?

いやいや、違うんです。

この2枚が続けて使われている事で、別の意味を持つ信号になっているのです。

 

U・W旗

国際信号旗のイメージ画像

 

海が掲げているように、『U』、『W』の順に並べて旗を掲げる事で、2字信号『貴船の安全な航行を祈る』という意味になります。

つまり海は、毎朝『U・W旗』を掲げて船の安全を祈っているんです。

 

1枚だけ掲げて1字信号、特別な2枚を並べて使うと2字信号、特別な3枚で3字信号。

国際信号旗の存在と意味を知らなければ、『変わった模様の旗だなあ』で終わってしまいそうですね(笑)

 

ちなみにコクリコ荘を去る北斗さんの送別会で掲げられていた旗は、俊の言う通り、旗1枚に1つのアルファベットをあて『HOKUT(ほくと)』としたものでした。

 

原作漫画での旗はただの国旗

原作漫画『コクリコ坂から』でも、同じく主人公の『小松崎海(原作漫画では小松崎性)』が旗を掲げるシーンが冒頭にありますが、こちらは国際信号旗ではなくただの国旗。

海のお父さんが集めた世界の国旗を掲げて、『お父さんが世界のどこにいても私たちは元気にやっています』という意味の独自信号を送っているという設定でした。

 

さすがに旗の持っている意味が弱いのか、冒頭部分で登場した後は『景色』の一部のように出てくる程度で、そのまま物語は進んでしまいます。

 

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海が旗を揚げている理由

ジブリアニメ『コクリコ坂から』で、主人公の海が毎朝かかさず旗を揚げる理由は何なのでしょうか。

これには、海のお父さんが深く関わっています。

 

海が掲げる信号旗はお父さんに向けたもの

海のお父さんは、朝鮮戦争時に機雷に触れて亡くなっています。

要するに、乗っていた船が爆発して死んでしまったんですね。

 

そんな『帰ってこない父』を10年も待ち続けている少女が、海(メル)なのです。

 

物語中では特に『10年もの間』という部分に触れていませんが、海のお父さんが亡くなった朝鮮戦争が勃発したのが1950年で、1953年に休戦協定が結ばれるまで続いています。

アニメ版『コクリコ坂から』の舞台は、東京オリンピック前年の1963年の横浜ですから、つまり海はおよそ10年の間、お父さんを待っている事になります。

 


子供の頃にお父さんに教えてもらった、『船が無事に帰ってこれる』信号旗。

お父さんが出港する度に、海はかかさず『U・W旗』を揚げていました。

最後に出港してから10年戻らない父を『待っている』からこそ、ずっと『U・W旗』を掲げ続けているのです。

 

大好きなお父さんの死を、頭では理解していても心の中では否定しているのでしょう。

いつか帰ってきてほしい、そんな願いが海の揚げる信号旗に込められているんですね。

 

考察:俊が海の旗に応えていたのはなぜ?

海の掲げる『国際信号旗』。

『貴船の安全な航行を祈る』は、帰ってこないお父さんに向けた信号です。

 

それなのに、なぜ『風間俊(かざましゅん)』は海の信号旗に応えていたのでしょうか。

 

海の掲げる旗は『U・W旗』、俊は『U』と『W』の上にさらにもう一つ、三角形の赤と白の縞模様に見える旗を掲げています。

この三角形の縞模様の旗は、『回答旗』と呼ばれるものです。

 

信号を解読したら掲げる旗なので、つまり海の掲げた信号旗に応えている事になります。

実は旗を掲げている海からは俊の乗ったタグボートは見えず、回答旗が掲げられている事に気づいていないのですが、下宿人『広小路さん』によってその存在を知らされる事となった海。

 

少し前には学内新聞『週刊カルチェ』の中に、明らかに自分に宛てられたとみられる『詩』を目にしていました。

 


『少女よ君は旗をあげる/なぜ』

ある時、俊は信号旗を掲げる少女『海』の存在を知ったのでしょう。

俊は海が信号旗を揚げている理由を知りたいと思い、やがて『海』自身に興味や好意を抱いたと思われます。

 

『朝風に想いをたくして/よびかける彼方』

この文章から、俊は海が毎朝かかさずに信号旗を『誰か』に向けて掲げていると考えているようです。

 

毎朝の『U・W旗』を見る度に俊は、海の『誰かに向けられた信号旗』が切ない理由の元に掲げられている事を感じ取っていたのではないでしょうか。

 

だからこそ、海の信号に応えたかった。

自分に向けられたメッセージではない事は理解しているけれど、海の純粋な、誰かを想う気持ちに寄り添いたかったのだと考えられます。

 

まとめ

ジブリアニメ『コクリコ坂から』に登場する旗は『国際信号旗』と呼ばれるもので、それぞれの旗には違った意味やアルファベットがあてられています。

ただし、海のように『U』と『W』を並べて掲げると『貴船の安全な航行を祈る』の意味を持つ信号に。

 

これは帰ってこない海のお父さんに宛てられたメッセージであり、父の死を受け入れられない海の気持ちそのものでもあります。

 

そんな切ない思いを抱いた少女に応えるタグボート。

そこには俊が乗っており、『海のために』回答旗を掲げています。

 

この時から既に、2人の物語は始まっていました。

1963年の横浜に生きる高校生の『海』と『俊』。

 

『旗』と『父への想い』が繋ぐ2人の物語は、ラストシーンまで目が離せませんね!

 

 

『コクリコ坂から』のなんで?が解決できるかもしれません

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