コクリコ坂からの伝統の復活についての考察!飛び込みシーンの意味は?

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ノスタルジックな船舶のイメージ画像 コクリコ坂から

『コクリコ坂から』には、お昼ご飯の時間に突然、『風間俊(かざましゅん)』によるカルチェラタンの屋根から防火用水を貯めた水槽への飛び込みが行われるシーンが登場します。

空中から落ちてくる俊、下から見上げている海。

 

植木に引っかかりながらも水槽の中に落ちてきた俊に、思わず手を伸ばした海を見て、周囲は『伝統の復活だ』と囃し立てます。

 

ところでこの場面の『伝統の復活』って、一体何のことだったのでしょうか。

 

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コクリコ坂からの伝統の復活についての考察

防火用水の水槽に飛び込んだ俊に思わず手を伸ばしてしまった海ですが、周囲に囃し立てられた事で慌てて手を放してしまいます。

その時に叫ばれていた言葉が『伝統の復活』。

 

ここではカルチェラタンの伝統について考察します。

 

カルチェラタンからの飛び込みが伝統行事

『伝統の飛び込みで抗議』

飛び込みが行われた後に発行された学内誌の『週刊カルチェ』には、そんな見出しが躍っています。

 

このことから、明治時代の建造物である通称カルチェラタン(正式名称は清涼荘)の3階の屋根から、下に見える貯水槽へ向かって飛び込みをすることが『伝統』であったと思われます。

 

その伝統行事は『飛び込み』という内容から、男性の勇気を表すもの、もしくは何らかの感情を表現するための手段だったと考えられます。

 

飛び込みは久しぶりに行われた

『伝統』であるカルチェラタンの屋根から貯水槽への飛び込み。

それが『伝統』の行事である事以外は詳しく語られていません。

 

高校2年生の海も、屋根の上から飛び込みをする俊への驚きを隠しきれない様子。

 

つまり、『港南学園』の多くの生徒たちは『伝統』については詳しく知らない状態であり、カルチェラタン内に部室を持つ文化部員であれば、ギリギリ存在を知っているような『伝統』でもあったと考えられます。

そしてその『伝統』は長らく途絶えていた。

 

久々の飛び込みだったからこそ、周囲は『伝統の復活だ』と騒いだのでしょう。

 

水の中の俊の手を取った海のシーンが伝統の復活?

飛び込み後に貯水槽の中から伸ばした俊の手を掴む海の姿があり、そこで『伝統の復活だ』と叫ばれる事から、『水槽に落ちた男性の手を女性が取る事』が伝統なのだと勘違いしてしまいそうな場面でもあります。

 

この部分については、伝統の飛び込みを行った俊の姿を見て、海が思わず駆け寄ってしまっただけなのだと考える方が自然でしょう。

 

 

海が見たのは、カルチェラタンの屋根から飛び降り、植木に引っかかりながら貯水槽へ落ちていった俊。

どうにか貯水槽から頭を出しますが、この時点で周囲の人間も海も、彼が『水の中』にいる、という状況を眺めているだけです。

この時の海は、『彼を助けなければ』という考えしか頭に浮かばなかったのだと思います。

 

 

そこで水の中から這い上がるために手を伸ばした先に海がいて、しっかりと手を握ってくれる。

その様子から『俊はケガもなく元気そうだ』という事を周囲も確認できたでしょう。

 

そして、そこで初めて『飛び込みは成功、伝統は復活した』と盛り上がった。

俊がもし大ケガをしていたら、それこそ伝統だなんだの話ではありませんからね。

 

俊と海が手を取り合っている写真を撮られていたのは『画になるから』、という単純な理由だったのではないでしょうか。

 

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コクリコ坂からの俊の飛び込みシーンの意味

そもそも、カルチェラタンの屋根から飛び降りる事にはどのような意味があったのでしょうか。

『伝統』である飛び込みをしたのには、何か理由があったのでしょうか。

 

飛び込みはカルチェラタン建て替え案への抗議

内部に文化部の部室がひしめき合い、魔窟と化している明治時代の建物『カルチェラタン』。

そんな古い建物は取り壊して新しいものを、という声が挙がったようです。

 

カルチェラタン内に部室を持つ文化部の生徒たち、通称『カルチェの住人』たちは、この建て替え案に猛反対。

 


歴史あるカルチェを建て替えるなんて考えられない、新しければ良いというものではない!

 

そんな考えから、建て替え案への抗議のため、歴史あるカルチェの『伝統』を用いた飛び込みを行ったのです。

つまり、歴史や伝統を守りたいという強い意志を表したものでした。

 

注目を浴びて劣勢をくつがえす狙いも

学校側の計画であるカルチェラタンの建て替えに賛成している生徒は711名。

これは全生徒の80%に相当する人数です。

 

つまり、建て替え推進派に対して、カルチェを残したいと考えている生徒の人数はごくわずか。

圧倒的に不利な状況、というワケです。

 

 

そんな中、大勢の前で『伝統』と称した、いわゆる派手なパフォーマンスを行う事によって注目を集める狙いもありました。

注目を浴びて、劣勢である状況をくつがえしたかったという事ですね。

 

同じく建て替え反対派の生徒会長『水沼史郎(みずぬましろう)』も、新聞部で週刊カルチェを発行している『風間俊(かざましゅん)』も、幸いなことに女性からの人気は高いようです。

俊の飛び込みシーンの写真は学内で販売され、まんまと海の妹の『空』も30円で購入していますからね(笑)

 

まとめ

ジブリアニメ『コクリコ坂から』では、俊が建物の屋根から貯水槽への飛び込みを行うシーンに続き、周囲が『伝統の復活だ』と囃し立てる場面が見られます。

『伝統』については作品内でさほど詳しい説明がされない事から、『伝統って何?』、『伝統の復活ってどういう事?』とモヤモヤしてしまう方も多いですよね。

 

この『伝統』は、『週刊カルチェ』の内容から、カルチェラタンの屋根から下の貯水槽へ向かって飛び込みを行う事であると考えられます。

 

 

『古い建物を壊すのは過去の記憶を捨てる事』

『新しいものばかりに飛びついて、歴史を顧みない君たちに未来などあるか』

 

カルチェ建て替え云々を別にしても、高度成長期の頃の高校生の、熱い姿が目に浮かぶようなセリフが印象的でした。

 

 

『コクリコ坂から』のなんで?どうして?の、

モヤモヤ感が解決できるかもしれません。

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