トイストーリーシリーズの4作目、『トイストーリー4』。
これまでのトイストーリーとは少し風向きが変わったのでは?と思われる作品になっています。
ウッディとこれまでの仲間たち、再会したボーや持ち主ボニーとの関係性を通じて、トイストーリー4が伝えたいこと、大人にこそ必要なトイストーリー4からのメッセージについて考察していきます。
トイストーリー4が伝えたいことは?
これまでのトイストーリーシリーズでは一貫して『仲間との絆』が強調された作品となっていました。しかし、この『トイストーリー4』では『仲間との絆』は伝わってはくるものの強調されている印象は薄く、どちらかと言えば『自分の気持ち』や『誰かを大切に思う気持ち』が強調された作品になっています。
ガラリとイメージが変わったとも思えるこの作品が伝えたいこととは一体どのようなことなのでしょうか。
誰かの意見とは違う個人の意思の存在
この作品にはたびたび『内なる声』というセリフが登場します。
内なる声は、単純に言えば自分の意思なのですが、バズにおいては『内蔵ボイス』という扱いになっており、なんでそんなにバズをポンコツ風に描くのかとちょっと不満の残る部分でもありますが(汗)
ウッディはこの作品中で今までとは違った『葛藤』に悩んでいます。
これまでは、バズへの嫉妬だったり、大人になったアンディとの関係性だったりしたわけですが、今回はもっと大きなもの、つまり『ボニーか、世界か』ほどの壮大な葛藤に悩んでいるのです。
ボニーの大切なおもちゃ『フォーキー』、これまで共に過ごしてきた『バズやジェシー、そのほかの仲間たち』、かつての仲間『ボー・ピープ』・・・
小さな世界から飛び出して、広い世界を見ているボー。かつては心を通わせあっていた存在との再会はウッディの心に大きな波を立てたのでしょう。
ボニーが大切、仲間が大切、ボーも大切、広い世界も見たい・・・
様々な気持ちが交錯するウッディ、そして最終的に選んだ道が、かつての『トイストーリーシリーズ』からは予想もしなかったものであったことから非常に話題になりましたね。
そう、多くの人が望んでいたものとは違う『ウッディの選んだ道』は『ウッディの意思』によって選ばれたものでした。
この選択にガッカリしたという意見も多くみられましたが、誰かが望んだものとは違う『個人の意思』によって選ばれた道であったことがポイント。つまり『個人の意思の存在』を示したものだったのではないでしょうか。
誰だって自分の思うように物事が進めば嬉しいですが、他人と関われば、思った通りにならない事なんてたくさんあります。
トイストーリー4では、自分以外の他の誰かにはその人なりの『意思』が存在している事を伝えてくれています。
誰かの役に立つという事
ボニーのお気に入りのおもちゃ『フォーキー』は、目を離せばいなくなってしまう小さな子供のような存在。ボニーが先割れスプーンを材料に作ったおもちゃです。
フォーキーがボニーの心の支えになっている事を理解しているウッディは、『ボニーのために』フォーキーを守ったり助けたりしています。
ウッディのボイスボックスをギャビー・ギャビーに渡すのだって、『ボニーのために』フォーキーを救いだすためであったり、子供と遊んだことのない『ギャビー・ギャビーのために』決断した事でした。
また、子供のところへ行けない『なかなか当たらない景品のおもちゃたちのために』的当てゲームの裏でこっそりインチキ(笑)してあげたり・・・
この物語のいたるところに『誰かのために』が散りばめられています。
自分のためだけではない、『他の誰かのために役に立つこと』つまり、誰かに喜んでもらえるような事をする生き方もあるのだという事を伝えてくれています。
トイストーリー4からのメッセージは大人に響く
大人も子供も楽しめる『トイストーリーシリーズ』ですが、今回の『トイストーリー4』からのメッセージは特に大人に響くようなものでした。
続いては、このトイストーリー4からの『メッセージ』について考察していきます。
道に迷うこともある
ウッディの前には、今まで意識することがなかったような道がいくつにも分かれており、どの道を進むべきか悩んでいます。
トイストーリー4には、『迷ってもいい、それが多数決では少数派の道でもいい、自分で進む道を決めたという事に価値がある』というメッセージが込められているように感じます。
幸いにもウッディには進みたい道を後押ししてくれる大切な仲間の存在もありました。
いくつになっても悩むことはあるし、悩んだからこそ深く理解できる事もあります。『自分の内なる声』にじっくり耳を傾けてみてはいかがでしょう。
誰かを思いやる気持ちが大切
『誰かのためにする行動』ってパワーがいります。
自分のためではない、他の『誰か』のための行動です。
ウッディは、最終的には『自分が経験した幸せ』を知ってもらうため、『おもちゃたちのために』行動しています。
それは子供に遊んでもらう経験の無いおもちゃたちが大勢いる事を知ったから、そしてボーからは『子供は大勢いる』という事を教えてもらったからですよね。
こんな大がかりでなくとも、ウッディが『ボニーのため』にフォーキーを見守ったりしていたように、小さなことだって誰かの幸せに繋がっているのかもしれません。逆を言えば、ウッディがアンティークショップでついとってしまったような軽率な行動が、一緒にいる誰かを不幸にしてしまう可能性だってあります。
『誰かを思いやる気持ち』はとても大切、でも偏ったり忘れたりしてはいけない、というメッセージが込められているのでしょう。
まとめ
今までの『トイストーリーシリーズ』とは少し異なる趣のある『トイストーリー4』ですが、『自分と自分の気持ち』、『他の誰かの幸せ』が強く伝わってくる作品となっていました。
そのため、一部では違和感を感じてしまう人も多かったのでしょう。
ちょっとだけさみしい話ではあるけれど、自分の正直な気持ちに向き合ったり、人を思いやる気持ちを思い出させてくれる『トイストーリー4』。
アンディとの日々がどんなに幸せだったかを胸に強く刻んでいるウッディだからこそ、『自分の意思で、おもちゃたちを幸せにするため』に選んだであろう道。最終的には親友バズが後押ししてくれるシーンが、観ている私にとって救いだった事は確かなのです。
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